元大関貴ノ浪引退、年寄音羽山襲名披露大相撲


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東 方

西 方

各画像の下に、解説の文章が書かれています
貴ノ浪断髪式当日の、両国国技館です。元名大関の、
新しい門出を祝うかのように、快晴に恵まれていました。
各画像の下に、解説の文章が書かれています
入場受付が、間もなく始まろうかという頃の、国技館入口前.
やはり元人気力士の断髪式。相当な集まり具合です。



さあ、入場開始。チケットを切っているスタッフは、
元小結大善の富士ヶ根親方です。この人こそは、昨年のこの時期、
私が初めて引退相撲(そして国技館)を見学した時の主役です。
髷を切って1年。新たに髷を切る引退力士のために、
チケットを切る裏方に回っていました。

国技館建物の入口前に設置された、貴ノ浪引退相撲の看板。
この画像は、当サイト第22代トップ写真として、
05年1月31日〜2月16日まで、トップページに掲載されていました。
この看板をバックに記念写真に納まる人が後を立たず、
人が途切れた僅かなスキをついて撮影しました。



入口ドア付近がやたら混み合っていると思ったら、
何と入ってすぐのところに、
この日の『主役』、元貴ノ浪が立っていました。
サイン&握手会が行われていたのです。
大銀杏姿を間近で見れる、これが最後の機会でした。

笑顔を浮かべ、どこか照れくさそうな表情でサインに応じる元貴ノ浪。
いかにもファンを大事にしそうな人柄がよく出ています。



二所ノ関一門呼び出し連によるふれ太鼓が披露され、
いよいよ引退相撲の始まりです。

まずは幕下力士計16名による、選抜トーナメント戦が行われました。
この画像は決勝戦の一番で、左が魁松山、右が新堂です。
勝って優勝したのは新堂でしたが、新堂は貴乃花部屋の力士。
そして貴乃花部屋といえば、この日の主役、元貴ノ浪の所属部屋。
ということは・・・・・、「ああそういう事だったのか」と納得しました。



こちらは相撲甚句です。私の中でも、見慣れた光景になってきました。
一度自分でも作れたら面白いのだが、と思ったりして・・・・・。


髪結実演です。モデルは一門の鳴門部屋の若の里。
かつて、貴闘力の引退相撲の時には、貴ノ浪自身がモデルに
なっていました。あの時、思えば貴ノ浪にとっては、
最後の三役の場所でした。



さあ、ここからはいよいよ、断髪式の模様に参ります。
まずはこの画像ですが、ハサミを入れようとしているのは、
タレントの松村邦博です。土俵に上がる前、高見盛の気合入れの
モノマネをやって館内ヤンヤの喝采でした。司会のアナウンサーも、
「高見盛ではありません。松村邦博さんです!」と念を押して(?)
いました。状況を飲み込んだ貴ノ浪もご覧のウケようです。

自称『涙もろい』という貴ノ浪ですが、断髪式の時は意外にも、
笑顔が続いていました。この画像でも、貴ノ浪は充分リラックスして、
式を楽しんでいるように見えます。



断髪式進行中の、国技館内全景です。私は正面イス席の、
前から2列目に座っていました。そのため、どうしても上から急な
角度をつけて撮影する格好となったのですが、全体の模様を撮ると、
このような感じでした。その人柄が人気を博した大関だっただけに、
かなりの客入りです。

現役力士を代表して、力士会会長の横綱・朝青龍がハサミを入れます。
ポンと肩に手を置き、ねぎらいの笑みを振りまいていました。貴ノ浪は、
朝青龍が初めて中日勝ち越しを果たした平成14年名古屋場所
10日目、朝青龍の全勝に土をつける白星を挙げています。
そしてその星が、自らの勝ち越しの白星にもなったのでした。



一門の力士を代表して、関脇・若の里がハサミを入れます。
若の里はこの時点で、連続19場所守った三役からの陥落が、決定
していました。横綱・朝青龍にもしばしば勝つ実力者だけに、平幕に
落ちたからには、いっそ金星を狙えば、とも思いましたが・・・・・。

同期生を代表して、琴龍がハサミを入れます。琴龍も地味な
存在なのですが、時々大物を食ってアッと言わせます。
部屋には更に大ベテランの琴ノ若がいますが、
これからも、味のある相撲を取って欲しいですね。



さて、後ろから土俵に向かってくるデッカイ人物。館内から、
「うわー、デカー!」とどよめきが起きていました。この人物こそ、
貴ノ浪にとって生涯最大のライバル、新入幕も新大関も同じだった、
元横綱の武蔵丸親方です。「いつ登場するのだろう?」と、
私も心待ちにしていましたが、いよいよやってきました。
司会者も、「貴ノ浪の土俵人生を振り返った時、この人なしには
語る事が出来ません」と話していました。まさしくその通りです。

武蔵丸親方が、いざハサミを入れます。史上最多の、幕内で58回の
対戦を記録したこの両者。終始武蔵丸が成績はリードしていましたが、
最後は貴ノ浪の3連勝でした。私は、ずっと笑顔できていた貴ノ浪も、
この時ばかりは涙を見せるのではないかと思っていました。しかし、
意外にも表情は崩れず、“乗り切り”ました。「でも内心はやはり、
グッと来ていただろうな」と私は思っていました。これで名実共に、
幕内最多回数対戦の両者は、過去の力士になったのでした。
なお、この画像は、こちらにて拡大版をご覧いただけます。



一門の親方として、元横綱・2代目若乃花の間垣親方が、
ハサミを入れます。やはり武蔵丸親方が来た後、
少し表情が神妙になってきたような気が・・・・・。

惜しくも画像には収め損ねましたが、この日の断髪式には、
元3代目若乃花の、花田勝氏も来ていました。そして2代目が登場。
だが、さすがに初代は・・・・・、と思ったら、やってきました!
元“土俵の鬼”こと横綱・初代若乃花の、花田勝治氏です。名前が
紹介された瞬間、館内から「オーッ!」という歓声が挙がりました。
それも若い人たちからも挙がり、いかに“土俵の鬼”が、現在の
相撲ファンにもよく知られているところであるかを物語っていました。
そして初代若乃花といえば、二子山元理事長でもあります。私が
相撲ファンになった当初の理事長が、この初代二子山親方でした。
もう喜寿(77歳)になるのですね。生で見たのは初めてでした。



いよいよ貴ノ浪断髪式も大詰めを迎え、ハサミを入れる人は、残り
2名のみとなりました。内1名は、もちろん師匠の貴乃花親方。そして
もう一人は・・・・・、そう、貴ノ浪入門〜引退3場所前まで、17年間
ずっと師匠でいた、元大関貴ノ花、二子山親方です。貴ノ浪が大関に
昇進する1年前までは、藤島親方だった、この二子山親方。実は
ガンを患い、入院生活を送っている最中でした。本来は決して外出
できる体調ではなかったにもかかわらず、愛弟子の断髪式のために、
特別に病院から駆けつけてきたのでした。ただ、途中道路渋滞に巻き
込まれて到着が遅れ、そのため館内は、10分少々断髪が中断して
待機の状態となりました。司会者が館内に、「みなさん、待っていただ
けますか?」と問いかけると、館内からは一斉に拍手が沸き起こり、
感動を覚えました。そして親方はやってきました。それも通常の花道
からではなく、駐車場から直通している、本来と逆方向の花道から
です。体を支えられるようにして土俵に上がり、ハサミを入れました。
この時、ついに貴ノ浪は、感極まって涙顔になりました。先代師匠の
体調も察したのでしょう。司会者も、「貴ノ浪が最もハサミを入れて
欲しかった人でしょう」と話し、その一言が、余計に本人の涙を誘い
ました。なお、この画像もこちらにて拡大版をご覧いただけます。

ハサミを入れ、深く一礼をする二子山親方です。かつては鬼のよう
だった師匠が、今はこうして弟子に深々と頭を下げる・・・・・。
確かに厳密にはもう師匠でないとはいえ、何かやるせなく、どこか
切なく感じました。もちろん、これは現師匠に対して何らマイナスの
意識を持ってのことではありません。ただ、人と人との、「立場の変化」
というものを深く感じた瞬間だったのです。かつての師匠も、もう鬼
ではありません。その上、病気を患っています。昔日の顔をすっかり
ひそめ、今、時の流れを噛みしめる様に、『主役』である愛弟子に
お辞儀をしました。貴ノ浪、泣いています。くちびるを噛むように
泣いています。それにしても、二子山親方の、何と顔色の
すぐれなかった事か・・・・・。



さあ・・・・・・、いよいよ止めバサミの時がやってきました。
貴ノ浪が、ついに髷に別れを告げる瞬間です。現師匠である、
貴乃花親方がハサミを入れ始めました。貴ノ浪、神妙な表情です。
ゆっくりと慎重に、貴乃花親方、ハサミを進めていきます。

もう大分髷が切れてきました。貴ノ浪、また涙で顔が紅くなっています。
しかし貴乃花親方、本当に“痩せた”ものです・・・・・。
なお、この画像も、こちらにて拡大版を用意しております。



元大関・貴ノ浪、髷が完全に切られました。
貴乃花親方が、切った髷を行司に渡します。どこかホッとした表情に
見えます。改めて貴ノ浪関、17年間、お疲れ様でした。
この画像もこちらにて、拡大版を用意いたしました。

断髪式を終え、いったん土俵を降りる貴ノ浪改め音羽山親方。
そして、師匠とはいえ、貴ノ浪よりは1年後輩にあたる貴乃花親方が、
そっと、いたわるように後ろから手を添えます。『先輩』に敬意を表した
瞬間でしょうか?それにしても、元々貴乃花のほうが、貴ノ浪よりも
体幅は広くかったのですが、後ろ姿を見て改めて、「細くなりました」。



さて、ひとしきり拍手を浴びた後、もう一度断髪式の席に座った
音羽山親方。ここで館内が暗くなり、土俵周りだけに証明が
照らされます。そして司会者により、本人の足跡が語られました。
優勝2回、大関在位37場所。陥落後も三賞1回、金星2個。
記録にも記憶にも残る名力士、そして名大関でした。

音羽山親方の甥っ子さん(?)による、花束贈呈です。
こういう体験が出来る子どもというのは、本当に幸せだなと思います。



元幕内で、歌手の大至氏による、はなむけの甚句披露。今回もまた、
美声を聞かせてくれました。大至氏にしてみれば、自分が対戦した
こともある力士ですから、感慨もひとしおでしょう。断髪式では毎回
恒例となっていますが、毎度毎度、その力士の特徴もよくつかんで
歌う甚句は、力士にとってもいい思い出になる事でしょう。

横綱・朝青龍による、綱締め実演です。朝青龍、
先ほどハサミを入れた時とは打って変わって、厳しい表情です。



呼び出し、琴三による、櫓(やぐら)太鼓の実演です。
この音色はいつ聞いても風情がありますね。
毎年3月になると、地元大阪で聞くことが出来ます。

横綱・朝青龍、土俵入りです。直前の初場所では全勝優勝。
まさに飛ぶ鳥を落とす勢い、もうすっかり貫禄もついた横綱です。
面差しが、往年の北の湖にどこか似ていると感じるのは、
私だけでしょうか?こちらにて、拡大画像も見れます。



貴ノ浪引退相撲最後の行程は、幕内の取組でした。ここでは
その中から2番ご覧いただきます。画像は露鵬(左)−垣添(右)の
一番、立ち合い当たりあう瞬間です。気合相撲で、どことなく
富士桜を連想させる垣添。立ち合いの迫力も充分でした。
こちらにて、拡大画像を見れます。

もう一番、これがこのページ最後の画像ともなりますが、
琴ノ若(左)−栃乃洋(右)の一番です。土俵際、必死でこらえる
栃乃洋、琴ノ若がさらに寄りたて、勝負あったかに思えましたが、
この後栃乃洋が逆襲し、ちょうど行司が立っている辺りで寄り切って
栃乃洋の勝ちとなりました。ところでこの両者、平成16年秋場所
千秋楽では、共に大きなものをかけての一番となりました。
琴ノ若は三賞、そして栃乃洋は、優勝への望み確保です。双方
力相撲となりましたが、結局琴ノ若が勝って、三賞(敢闘賞)を獲得。
栃乃洋、自己最高の12勝はなりませんでした。


 以上、元大関貴ノ浪の引退相撲のようすをお届けしましたが、いかがだったでしょうか?
 貴ノ浪といえば、角界では『宴会部長』とも呼ばれていたそうです。しかしその一方で、平成8年初場所の貴闘力ー土佐ノ海戦では、控え力士として物言いをつけるなど、真剣かつ冷静な一面も多分に見せていたと思います。奇しくもその場所が貴ノ浪初優勝の場所となり、パレードの旗手は貴闘力が務めたのでした。
 平成12年初場所千秋楽、大関復帰の10勝目を決めた時の涙もまた印象的、しかし再大関となった翌春場所では、千秋楽で惜しくも負け越してしまいました。因みにその場所の優勝者は貴闘力です。
 さて、今回の引退相撲で、ひとつだけ予想と(期待と)違っていたことがあります。それは、前年の大善引退相撲の時には見られた、最後に『主役』本人の整髪後の姿を披露するというのが無かったことです。これはぜひ見てみたかったのですが、恐らく時間の関係等があったのでしょう。
 思えばこの引退相撲では、ハサミを入れた人の数、実に400人以上。史上最多ではないかと言われていて、この辺りにも貴ノ浪の人徳がうかがえます。17年間、お疲れさまでした。

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