平成28年 大相撲名古屋場所三日目(前編)


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東 方

西 方

少し曇りがちだったとはいえ、猛暑だった名古屋場所3日目。早いとこ涼しい館内で観戦しようと思ったので、ほんの2名だけ場所入りの姿を撮りました。その2名というのが、千代鳳(左)と千代の国(右)なのですが、後から振り返ると、何だか不思議な感覚に陥ります。というのも、この両者はいずれも九重部屋の力士。そしてこの名古屋場所3日目というのは、元横綱千代の富士の九重親方が、まともに職務をこなせる体調で過ごした最後の1日なのです。この翌日、九重親方は体調が急変し、途中帰京して入院、そのまま、7月31日に帰らぬ人となりました。そういう意味では、先代九重親方と同じ場所にいたことになる最後の一日に、取り敢えず2名だけカメラに収めた場所入り力士が両方とも九重部屋の力士だったというのが、今となっては何とも不思議な偶然だと感じます。心なしか緊張した面持ちで場所入りしている様に見える両者。この時点で、先代九重親方は、既に固形物を受け付けるのが、難しい身体になっていたといいます。師匠の体調を案じながらの場所入りだったのでしょうか?いずれにしても、私の今年名古屋場所の観戦は、ここからスタートしました。


館内での取組観戦開始です。最初に行われていたのは十両土俵入りの2番前、舛ノ勝−彩です。勝った力士が舛ノ勝ですが、敗れた彩は下の名前が豊で、フルネームを読むと彩豊(いろどりゆたか)。何ともオシャレな感じの四股名です(笑)。豊は本名で、所属は錣山部屋(師匠は元関脇寺尾)です。 続く一番もカメラに収めました。土俵上、チリを切るのは隠岐の富士で、理事長である八角親方の弟子です。


対戦相手は琴宏梅でしたが、勝負は西方、琴宏梅が勝ちました。俵の外、顔が向いているのが隠岐の富士です。 十両土俵入りです。名古屋場所でこの場面を見るのは久しぶりでした。中央に立つのが注目の、貴乃花部屋、佐藤。そして向かって左側は旭秀鵬ですが、右側は千代皇で九重部屋の力士です。この千代皇も、フルネームが千代皇王代仁(ちよおうみよひと)で、四股名に皇と王の字が続けて入り、なおかつ代の字が2回登場するというユニークなものです。何だか昔だったら名前だけで豪族になれそうな四股名ですが、王代仁は本名ということで、これも最初知った時は驚きでした。因みに出身は与論島。同島初の関取です。


新十両志摩ノ海です。準御当所力士ということで、館内からは大きな拍手と声援が送られていました。続く力士は北大樹。拡大版はこちら 西方十両土俵入りの、柏手を打つ場面です。画面右から2人目、髷だけ結っている力士が人気の宇良です。一番右は富士東。


幕下上位五番の取組ですが、三番目に登場してきたのがこちら鏡桜。元幕内で、師匠そっくりの深緑色の締め込みを付けていたのは記憶に新しいですが、怪我で幕下まで陥落していました。ご覧のように、右ひざが相当痛そうでまともにそんきょ出来ません。大砂嵐や阿夢露にも見られた状態ですね。 勝負はしかし、元幕内の地力を見せ付けて鏡桜が勝ちました。敗れた白鷹山は土俵上見事なダイビング。ズッコケ蛙さながらの体勢になっていました。拡大版はこちら


館内の声援が大きかったこの力士は、御当所、愛知県出身の玉飛鳥です。こちらも元幕内ですが、幕内在位12場所で勝ち越したのは1度だけ。それが新入幕だった11年前のこの名古屋場所です(9勝6敗)。時に朝青龍の全盛期。最後の幕内から16場所経過していたこの場所ですが、もし来年、12年ぶり2度目の幕内勝ち越しを果たしたら、凄い記録になります。拡大版はこちら 土俵上、シュッ!と姿勢を引き締めて仕切ります。対戦相手は若乃島。

玉飛鳥、敗れました。勝った若乃島も関取経験があります。 幕下上位五番最後の一番は、大翔鵬−明瀬山でした。土俵上、寄り切りで勝ったのが明瀬山です。敗れた大翔鵬は、鵬の字が違いますが、読みだけだと「だいしょうほう」で、かつて三役で活躍した大翔鳳を想起させます。大翔鳳も先代九重部屋と同じ膵臓癌で、僅か32歳で亡くなってしまいました。


勝った明瀬山と負けた大翔鵬の好対照な表情。それにしても明瀬山はこれより僅か2場所前、春場所の時点では幕内にいたのです。ラッキーな新入幕で、私も地元場所なので生で姿を見ました。その時から一転、幕下。新入幕の2場所後が幕下というのは、まるで牧本みたいです。そしてもう一つ、明瀬山といえば巨漢力士でしたが、この日の姿を見て、エラく痩せていたのでビックリしました。 ここからは十両の土俵です。画像は出羽疾風。大関琴光喜と同じ、愛知県岡崎市出身の御当所力士です。多くの声援が飛んでいました。拡大版はこちら


出羽疾風の相手は若武者阿武咲。前回撮影時のマリンブルーの締め込みから一転、赤の締め込み。勝って気合いたっぷりのこの表情です。 小首をかしげるような体勢で左を差し、右から抱えて極めようとしているのは、ひょうきん力士、天風です。去る4月5日に行われた泉佐野巡業では、廊下でファンのオバさん達と掛け合いをやっており、サインにも気軽に応じるなど、ファンサービス豊かでした。対戦相手は大ベテラン朝赤龍。土俵下、控えで待つのは千代丸です。


さあ、角界の桃レンジャー、宇良が登場です。十両2場所目。ピンク色の締め込みは、私の周りにいた観客たちの間でも話題になっていました。西方なので、なかなか顔は撮れません。端正な顔立ちなので、人気は今後もうなぎ上りでしょうね。 珍手・奇手こそ出ませんでしたが、勝負は宇良の快勝。館内ヤンヤの喝采でした。対戦相手は、バラエティー番組では突っ込まれキャラでお馴染みの、旭日松でした。


顔の良さならこちらも負けません(笑)。旭秀鵬です。前場所全休して幕内から落ちていたこの場所、一場所での再入幕を目指して必死でした。最後の仕切り、対戦相手は新鋭の朝弁慶です。 離れて取る両者。激しい突き合いです。実は連敗スタートだった旭秀鵬、新鋭相手には「さすがに負けられんワ!」と一層気合いが入ります。


最後は朝弁慶を押し飛ばして完勝。格の違いを見せ付けてこれで初日を出しました。最終成績は10勝5敗で、再入幕なるか微妙なところでした。 さて、注目株の佐藤がチリを切ります。体型はこちらのほうが鮟鱇型ですが、面差しが豊桜に似ていると思うのは私だけでしょうか。因みにその豊桜と長く兄弟関取だった元北桜の式秀親方が、土俵下、審判で座っていました。拡大版はこちら


仕切る佐藤。本当に、新入幕を果たした暁にはどんな四股名になるのか、気になりますね。既に貴ノ岩がいますが、やはり貴乃花部屋の力士ということで、注目度が上がります。 立ち合い、激しく当たり合います。佐藤は相手の頭突きを食らったような格好でこの表情。対戦相手は阿夢露です。拡大版はこちら


気合いで勝った佐藤が完勝。土俵上、四つん這いになって悔しさを語る、阿夢露の背中です。 土俵上、顔は青狼です。細い目でキッ!と相手を睨み付けますが、本当に朝青龍そっくりですね。替え玉にしても判らないぐらいかも(笑)。普段、意外と撮っていなかったのですが、この日はしっかり撮りました。


取り組む青狼。右から出し投げを打ち、左で相手の頭を押さえます。やや強引な投げか?ところでこの表情では一瞬よく判らないかも知れませんが、対戦相手は人気の里山です。春場所では再入幕でした。拡大版はこちら 結局青狼の右が最後まで生きました。里山、右足から土俵を割り、青狼の勝ち。左足はサポーターが痛々しいですが、痛めていない右足を終始軸にしました。


塩を撒いて土俵上の両者は英乃海(左)と千代翔馬(右)です。 右四つがっぷり、顔が見えるのが英乃海です。右四つは英乃海得意。千代翔馬にとっては逆の四つです。今年初場所で関取デビューを飾った千代翔馬は、先代九重部屋が育てた最後の関取となりました。



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