平成27年 大相撲春場所三日目(前編)


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東 方

西 方

今年は初めて、一場所3回の観戦が実現しました。いやはや相撲ファンとしては贅沢この上ない話です。3日目、10日目、そして13日目に観戦し、ここでは3日目の観戦記をお届けします。先ずは幟から。御当所大阪府出身の勢、豪栄道、それに兵庫県高砂出身の妙義龍の幟が良い具合に並んでおりました。 相撲人気復活が反映されて、場所入りの力士を撮れないくらい入口前が混雑していましたので(以前なら午後にやってきてもいい位置を陣取れた)、早々に館内に。幕下の取組が進行中でしたが、審判は元幕内北桜の式秀親方です。現役時代は豪快な塩撒きに表情豊かな気合い相撲。よくカメラにも収めたものでした。


十両土俵入り、先ずは注目の新十両、石浦です。白鵬の“内弟子”として入門し、新序ノ口、新序二段で連続優勝したのはよく知られています。琴桜以来の鳥取県出身関取としても注目されていますね。化粧廻しの左下には、『城北魂』と書かれています。 土佐豊です。十両土俵入りの先頭のほうで登場するということは、十両下位にいるということですが、初場所初日、実に3年ぶりの再入幕初日という取組で、いきなり怪我をして2日目から休場し、今場所が休場明けとなってしまいました。何とも不運に見舞われる力士、それでも腐らずに頑張り続ける姿に、ファンは声援を送って止まないと思います。


青狼、富士東と続いて、一際長身の力士は注目株の輝です。十両3場所目、新十両から10勝、11勝と連続で二桁勝って、この場所は一気に新入幕を狙える状況になっていました。師匠の高田川親方は、かつて私が長くひいきにしていた、元関脇安芸乃島です。 右から順に、希善龍、明瀬山、天風、双大竜、里山、翔天狼です。


幕下上位五番の取組。チリを切る巨漢力士は元十両徳真鵬です。この場所は20場所ぶりに幕下に落ちていました。 取組です。相手は小兵の若乃島。体重を活かして、相手を極めようとします。しかし右で相手の左を抱えるも、左は若乃島の右からの抵抗に合っています。


この一番、十両経験豊富な徳真鵬が再三寄り立て、そのたびに若乃島が残すという熱戦になりましたが、最後は小兵の若乃島が形勢逆転で巨漢を寄り切りに破り、館内ヤンヤの喝采でした。徳真鵬の廻しが少し伸びていましたね。 十両の取組、新十両の石浦が登場します。力水を付けるのは再十両の琴恵光。小兵同士の意志交錯?


チリを切る石浦。手を高らかと上げ、気合いがこもった表情です。連勝スタートで気分も上々。館内湧いております。拡大版はこちら 仕切りに入る石浦。ほとんどしゃがんだ体勢そのまま、腰を上げずに手だけ前に出して土俵に付く、上背のない力士ならではと言いましょうか?特徴的な仕切りだと思いました。


さあ取組です。相手は西幕下筆頭の川端。この場所、ストレートの4連勝で勝ち越しを決め、最終的に5勝を挙げて、翌場所の新十両を確実にしました。遠藤の後輩です。 幕下相手に負けられない石浦でしたが、最後は川端が上から投げ潰し、石浦は土俵に尻もち。新十両3連勝は成りませんでした。かくて私は、大横綱白鵬の内弟子の、関取初黒星という歴史的瞬間を目にしたのでした(←大袈裟)。


敗者の表情。「クソー!やられた」という悔しさ満面。しかし、思えば白鵬も、新十両だった平成16年初場所、関取初黒星を喫したのは3日目でした。 先ほど、石浦に力水を付けた琴恵光が取り組みます。藤色の廻しが鮮やかですね。かつて豪栄道もこの色の締め込みを締めていました。対戦相手は希善龍。右からおっつけられています。


最後は背中を向けた琴恵光を希善龍が送り出し。琴恵光、泣きそうな顔をして黒星を噛み締めます。 土俵上、錣山部屋の新十両、阿炎が東(左)から登場。西からは明瀬山です。若干二十歳の、こちらも期待の新鋭です。豊真将引退後、元寺尾の錣山部屋に誕生した待望の関取ニューフェイス。館内盛り上がります。それにしても阿炎のこの四股をご覧あれ。足がピーンと上を向いて、高らかと四股を上げます。かつて高く上がる四股で注目を集めた、阿武松部屋の片山みたいですね。


塩を取って向き直る阿炎。知らない人がこの四股名を見たら、『あえん』と呼ぶかも分かりませんね(笑)。それにしても、比較的長身に見える体型に端正な顔立ち。前相撲から取りながら、初土俵から所要11場所で十両に駆け上がったスピード出世。期待株でもあり、人気力士になる要素は充分ですね。 取組です。両者離れて取ります。顔が見えるのが明瀬山。阿炎の突っ張りを受けたか、ほとんど目をつむっています。もちろん一瞬ですが。足の長い阿炎ですが、廻しの位置はほぼ同じです。


勝負は阿炎の勝ち。初日黒星のあと、連勝です。次の土佐豊が土俵に上がるまで、力水待ち。全力で取った勝者の、爽やかな表情です。拡大版はこちら 新鋭の後は、長く苦労して今なお苦労している、元前頭筆頭の土佐豊が土俵に上がりました。『一年の計は初場所にあり』と言いますが、その初場所初日でいきなり怪我(勝負としても黒星)で休場。普通の力士だったら、ここでもう気持ちが萎えてしまうところでしょう。本人の胸中やいかに?なんですけど、同情を禁じ得ません。


この日の相手は新十両の天風でしたが、力なく土俵を割ってしまい、本調子からは程遠い状態を伺わせました。土俵下に顔を向ける土佐豊の姿がどこか寂しげ・・・・・。 こちらはその新十両、天風ですが、体重実に198kg、最高で200kgを記録したこともある超巨漢です。それだけに、堂々としたこの身体。顔立ちがどこか舛ノ山に似ていると思うのは気のせいでしょうか。


土俵上、富士東が塩を撒きます。十両最後の一番は、富士東−千代大龍の元幕内対決でした。画像がこれしか残っていません(汗)。 幕内土俵入りです。先頭で登場したのは再入幕の臥牙丸です。この力士が先場所まで十両に落ちていたことが意外なのですが、先ほどの十両天風との200kg対決を、いずれ見てみたいものです。


館内大拍手、交野市出身、勢です。先場所は不本意な1勝14敗。まさかここまで大崩れするとは思いませんでした。この場所は幕尻近いだけに、11番以上の大勝ちも期待出来ると思ったものでしたが・・・・・。拡大版はこちら そして場所前、力士会にて、白“ホウ”から土俵上の声出しについてダメ出しを受けていた、平成の怒り金時、琴勇輝です。その一件を知っているファンからは、いつも以上の励ましを送られていました。


レジェンド、旭天鵬です。私にとっても、満40歳の関取、それも幕内力士を見たのは、これが初です。それにしても、今から23年前のこの春場所で、初のモンゴル人力士が一気に6人入門し、話題になったのは今でもよく憶えています。その内の一人が、のちにレジェンドとまで言われる力士になろうとは、当時、想像だにしませんでした。 松鳳山です。再三、三役にも昇進している実力者ですが、前場所の勢のスパイラルをそのまま引き継いだかのように、この場所、絶不調の波に陥ってしまったのが松鳳山です。この時はまだ3日目だったので、誰もそんな場所になってしまうとは思っていません。




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