平成26年 大相撲名古屋場所十日目 その4


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東 方

西 方

さて、豊ノ島と妙義龍の取り組みです。妙義龍が左で相手の肩口を押し、豊ノ島は必死に堪える表情で右から宛がう様子。豊ノ島の左と妙義龍の右は、互いに廻しを嫌っている格好でしょうか? この場所、共に二桁をマークした好調同士でしたが、若い実力者の妙義龍が勝ちました。


さあ、館内の声援ボルテージが俄然高くなりました。遠藤の登場です。髷姿の2場所目。この場所は前頭5枚目。ここまで4勝5敗はやや物足りないといったところか。しかし本当にすごい人気です。人気と言えば、土俵下に座っている2人の審判は、現役時代、大人気力士だった、元大関魁皇の浅香山親方と、元関脇寺尾の錣山親方です。 古今東西、人気のバロメーターは懸賞の垂れ幕。かつての高見盛の再来よろしく、最初の5枚は永谷園。その後ろにも画面一杯一杯に垂れ幕が続きます。


時間一杯、最後の塩を撒く遠藤。まだまだ典型的な『人気先行型』力士ですが、それでも上位圏内に定着しつつあるのは立派だと思います。気の早い話ですが、大銀杏を披露出来るのはいつの事でしょうかね?そしてその時番付は・・・・・?拡大版はこちら 立ち合い、当たった瞬間、遠藤は相手の肩に顔が埋まるような恰好で、相手の頭が起きています。その相手とは魁聖。右端に写る浅香山審判の元弟弟子です。


遠藤、寄り切りで魁聖に勝ちました。館内大きな拍手です。それにしても、出世が早くてそれなりに地力も付けてきているとは言え、『日本人の』ホープということで桁違いの声援が飛んでいるのであれば、上位に進出してきた頃の稀勢の里の、或る意味再現シーンという事になります。 日本人のホープがファンの期待に応えた後は、外国人のホープであると共に、いろんな意味で『規格外』の両者の対戦です。左、照ノ富士。右、大砂嵐。見るからに力相撲を期待出来そうな、大型力士同士の顔合わせです。不気味な底力のオーラを醸し出す照ノ富士に、この場所W金星の大砂嵐。要注目です。


両者当たりました。大砂嵐が相手の左腕を極めにかかって左手で頭を押さえ付ければ、照ノ富士も左半身で体当たりをするような恰好で、見様によっては左から強引に小手投げを打とうとしているようにも見えますね。まさに期待に違わぬ力相撲です。拡大版はこちら。  今度は照ノ富士の顔が見えていますが、両腕を決める格好でそのまま辛抱しています。躯体のデカい大砂嵐を極めてかかれる力士は、照ノ富士ぐらいでしょう。大砂嵐は、右をちょっと深く差しています。そして土俵下で、「はぁ、こりゃ長くなりそうだわな」といった顔付きで土俵を見上げているのが、ベテラン安美錦です。拡大版はこちら


力の入った熱戦を制したのは、照ノ富士でした。これから『黄金カード』の一つとして、何度も戦っていくであろうこの2人、両者の対照的な表情をご覧あれ。一目見て、どちらが勝者でどちらが敗者か判りますよね。見応えのある一番でした。拡大版はこちら 交野の星、勢と、現九重部屋の出世頭、千代鳳の対戦。こちらも注目株同士の対戦です。勢は、翌秋場所7日目に、新入幕の怪物、逸ノ城に初黒星を付けて株を上げました。


互いにライバル意識を持ってもおかしくない両者の対戦は、体重で勝る千代鳳が勝ちました。三役経験者が一枚上手だったか?敗れた勢はこの場所、5勝10敗と振るいませんでしたが、過去一度も勝てなかった同郷のライバルで、しかも12勝の好成績を挙げた豪栄道に勝ったのですから、前向きに捉えてもいいと思います。 さあ、30を過ぎてから青春真っ盛りを迎えているのが、この嘉風です。長年の地道な努力が実を結び、この年の夏場所には三役に昇進、そしてこの名古屋では初金星を挙げました。史上最年長と騒がれながら、僅か5日で同部屋の豪風に更新されたという、何とも笑えそうな記録の持ち主となりましたが、上位に日常的に勝つようになりました。かつて新大関日馬富士を初日に破った時とは、明らかに上位に勝った姿を見た印象が違いますね。翌秋場所にも、今度は鶴竜に勝って2個目の金星を挙げたのですから、まさに30過ぎてあっぱれです。ところで、以前より浅黒さが増してきた現在の嘉風の顔は、オードリー春日にちょっと似てきた気がします。拡大版はこちら


上位の人気力士の仲間入りを果たした嘉風ですが、この日は碧山に完敗しました。しかしそれでも5勝5敗と、星は五分でしたので、一場所で三役復帰の可能性はまだまだ残されていましたが、結局は惜しくも7勝8敗と負け越し。そのため、平幕での土俵となった翌秋場所で、再び金星に輝いたのは先ほど述べたとおりです。 名古屋場所10日目。両大関の対戦を迎えました。東から7勝2敗の稀勢の里、西から8勝1敗の琴奨菊です。この時点で、全勝の白鵬と星の差一つと二つで、優勝争いに付いていっていました。また、まだ豪栄道は昇進前ですので、大関自体がこの2人でしたが、目を見張ったのは角番だった琴奨菊で、ストレートで脱出。忘れられていたような大関が、今一度脚光を浴びました。稀勢の里は、数字の上では優勝争いに参加という責任は果たしていますが、どうしても賜杯には届かないというところで、万年横綱候補と化しています。


そしてこちらが、『今一好きになれない格好の四股』ナンバーワン、稀勢の里の四股です。左画像、ライバル琴奨菊の四股と比較すると、その特徴がよく分かると思います。何というか、稀勢の里の四股は、上げている足の、膝の角度が狭過ぎるのですよね。もっとまっすぐ伸びるはずが、ピヨンと下に曲がっているというか・・・・・。まあこの辺りの、ちょっと堅くてギュッと押さえている感じの四股が、どこか硬さが抜けない土俵態度や相撲内容にも繋がっているのかも知れませんが・・・・・。


さあ、大関対決、制限時間一杯です。特に1敗で、中日までは白鵬と並走していた琴奨菊は気合いが入っています。前日黒星なので連敗は許されませんが、稀勢の里も勝ち越しが懸かっています。そしてこの両者の対戦で面白いのは、対戦が千秋楽に組まれると、楽日に弱いという稀勢の里の特徴も手伝って、勝利は琴奨菊のものとなります。しかし10日目頃に組まれた場合は、まだ最後のプレッシャーが少ないからか、稀勢の里が勝つ確率が高いのです。従ってこの一番、データ上では稀勢の里有利ということになり、琴奨菊を2敗に引き摺り下ろして、宿敵を相手に存在感を示す、絶好のチャンスになっていました。 しかし勝負は電車道。琴奨菊が一気の出足で稀勢の里を圧倒しました。今場所の琴奨菊の勢いは、10日目の対戦に強い稀勢の里をもってしても、止めることは出来ませんでした。琴奨菊、1敗を守って9勝目です。しかしもう少し熱戦を観たかった。


副たて呼び出し拓郎が土俵に上がり、横綱の四股名を呼び上げます。残り3番、いよいよ横綱の登場です。 先ずは横綱2場所目の鶴竜が土俵上です。そして相手はこの後、俄かに大関盗りモードになっていった、豪栄道です。大阪人の私としては、名古屋でも当然、豪栄道に注目する訳ですが、前場所のこの両者の対戦は、非常に惜しいものがありました。豪栄道が勝ったと思われたところが、髷を掴んでいて反則負けになったのです。少なからずショックを受けたであろう豪栄道ですが、よく立ち直って勝ち越しました。一方の鶴竜は、新横綱の前場所、もし豪栄道戦で反則が無ければ、大乃国以来の8勝7敗という成績になるところでした。


大変ピンボケな画像を掲載して申し訳ないですが、豪栄道、この場所は文句なしの相撲で横綱鶴竜に完勝しました。やはり前場所の一番が頭に残っていて、この取組に期するものがあったでしょう。鶴竜は、相手の気迫に押されたかの様に、土俵下まで落ちてしまいました。 結び前の一番、西から横綱日馬富士が登場です。既にこの場所、3つの金星を献上。金星のバーゲンセールはこの場所も終わらせることは出来ませんでした。相手は平幕で絶不調の玉鷲。まさかこの一番、横綱が負けるなんてことは無いだろう、と思いつつ見ておりましたが・・・・・。


はい、横綱楽勝で同郷の後輩を転がしました。しかし前に出て圧倒する内容ではなく、交わして突き落とすような相撲というのは、今一横綱らしさを感じません。前日に豪風に敗れており、少々慎重モードになっていたのか・・・・・。あまり調子は良くなさそうです。 いよいよ結びの一番、横綱白鵬が登場です。そして相手は前日、日馬富士から歴代最高齢初金星を奪った、元気印のベテラン豪風です。身長差が目立ちますね。豪風はなにせ2日目から5連勝、ここまで2敗と絶好調で、私はこの一番、もしかしたら波乱があるかも、と思って見ていました。「今場所の豪風は分からない」と。因みに豪風は、丁度10年前、平成16年のこの名古屋場所で、当時入幕2場所目だった白鵬に勝っています。以来、16連敗中でした。


淡々と塩を撒く第一人者横綱と、気合いを胸に『最高でも勝利、最低でも善戦』を期して塩を撒く豪風。そしていよいよ制限時間一杯、さあ波乱成るか?


当たった。期待のフラッシュも眩しい。横綱は肩越しに右の上手。かつての把瑠都を思わせる体勢です。豪風の左は追っ付け。しかし上手は切れません。白鵬の左は、前褌を取っているのでしょうか? 波乱起こらず。横綱が完勝して全勝を守りました。横綱、最後は左を指していたのでしょうか?豪風は悔しそうに土俵を割ります。これで7勝3敗で勝ち越しはお預けになりました。





以上、大相撲名古屋場所十日目の観戦でした。
今回は、実は今までで初めてというパターンが一つありまして、それは前売り券を買った時点で、自分の席がどこの位置か判らなかったのです。
今までは会場見取り図を見て、自分の好きな位置の席をクリックして予約、としていたのですが、今回は『チケット大相撲 ゆったり升席抽選販売』にて購入し、抽選の結果、第二希望が通るという形でチケットが送られてきました。
そのため、いざ当日会場に行くまで自分の席の位置は判らず、案内された場所は、ラジオ放送席のすぐ後ろだったのです。
そして、何度か撮影を試みるも失敗してしまったのですが、放送席には玉ノ井親方(元大関栃東)が登場し、近くの席にいたファンが、握手や記念撮影を求めていました。

さて、相撲ですが、結びの一番が、豪風の連続金星成らずだったのは残念ですが、それを期待させるほどのものが、今の豪風にはあるような、と感じました。
嘉風共々、尾車勢が今燃えています。これからも、息の長い活躍と、再度の三賞を期待したいですね。
日馬富士と鶴竜は、どうしても『準横綱』の地位に甘んじざるを得ないように映ってはしまいますが、土俵入り以外にも、「確かに3横綱時代なんだ」と感じさせる盛り上がりを、一つ演出してほしいものです。

来年も、暑い熱い名古屋での観戦を楽しみにしております。



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