平成26年大相撲春場所十日目(前編)


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東 方

西 方

公開時期が大幅にずれ込み(平成26年6月下旬)ましたが、大相撲平成26年春場所の観戦記です。10日目と13日目に観戦に行きましたが、まずは10日目から。場所も後半戦なので、盛り上がりが徐々にピークになってきています。幟が写っていますが、四股名が書かれた幟でまともにカメラ目線なのは、豊ノ島関だけです。 この場所から、相撲協会の名称は『公益財団法人 日本相撲協会』に変わりました。組織を衣替えしてのスタートということにはなるのでしょうが、果たして中身に何か変化というのは起きるのか?何事も、ただの『看板替え』では意味が無いし、素人目にも「ここが変わった」と目に留まる変化(もちろん良い方向への)が現れてほしいものです。


もう一度、幟をアップで撮影。左右逆向きですが、『大関 鶴竜関』というのは、この場所限りのものとなりました。この時点で1敗で初優勝と場所後の横綱昇進の可能性も高まってきており、正面からきれいに撮ったら良かったなと思います。豪栄道、稀勢の里といったお馴染みの注目株に加えて、今年初のお披露目となったのは、何といっても『遠藤』ですね。いずれ遠藤が改名されることがあったら、このショットも貴重な記録となるのでしょうか。ちなみに私は一度、遠藤の改名案をネット上で出したことがあります。その名は『藤乃翔』。遠藤の藤に、乃を挟んで師匠の四股名『大翔山』の翔を持ってきました。いかがなもんでしょうかねぇ(笑)。 惜しくも少しピンボケになってしまいましたが、場所入りする関脇・琴欧洲です。いまだイメージは大関。不成績が続きながらも、丸8年在位したというのは、大変な記録ではあると思います。ファンが握手を求め、さり気なく手を出して応じます。このあたりのファンへの丁寧さが魅力の一つではありましたが、勝負師としての飛躍を阻んだ原因になったかも知れません。この日、実は琴欧洲現役最後の一日となりました。


一般人に交じって、あまりにも目立つ風体でノッシノッシと現れたのは千代丸です。この場所新入幕、6勝3敗と好調でした。それもあってか本当にこの堂々とした場所入り。かつての大関松登を思わせるような風貌の本格派の巨漢力士も、何やら昭和チックで懐かしくさえ感じます。因みに当人は平成生まれの年少世代。このギャップも面白い。 十両の土俵から観戦です。この日は車いす席からの観戦でした(私が付添)。控えに座るのは、左から大喜鵬、玉垣審判(元小結・智ノ花)、隆の山です。審判を挟んで、両力士の体型の違いが目を引きますね。


その、ソップ型の代表格、隆の山が土俵に上がりました。この場所は幕下に落ちていましたが、東幕下3枚目で既に勝ち越しており、十両復帰が濃厚となっていました。そのためか、張り切って土俵に上がっているように見えますよ(^^)。筋骨隆々のサイドビューをよく捕えることが出来ます。 力水を受ける前、四股を踏む隆の山です。足はなかなか高く上がります。


チェコ出身隆の山の対戦相手は、ロシア出身の阿夢露です。世界地図上では比較的近い圏域同士の対戦。阿夢露も、私が初めてその姿を撮影した時は、隆の山とそんなに大差がないぐらい痩せていました。今ではかなり肉が付いて顔も丸くなり、力士らしい風貌になりましたが、同じロシア出身だった阿覧と間違えそうになることも(笑)。 勝負は隆の山が勝ちました。決まり手は送り出しでしょうか。正直、私はあまり隆の山の勝ち相撲には当たらなかったのですが、この日はバッチリ勝った瞬間をカメラに収めることが出来ました。さすがにこの地位では地力があるのでしょう。かつては幕内も何度か務めていますからね。


こちらは大喜鵬と対戦相手は、小兵のベテラン磋牙司。関取最下位の十両14枚目で、7敗と後がなくなっていた磋牙司の必死の寄りの前に、大喜鵬は仰向けに倒されてしまいました。負けて無念の表情がよく見えます。それにしても大喜鵬、十両を4場所で通過して新入幕を果たしたところまでは順調に出世していたのですが、そこで3勝12敗と大負けして一場所で十両に落ちてからは鳴かず飛ばずとなり、この時は関取の地位を維持するのがやっととなりました。横綱白鵬の弟弟子ですが、所属する宮城野部屋では幕下の石浦が十両目前に迫ってきており、このままでは抜かれて、白鵬からの期待の目もそちらに移っていくかも・・・・・。巻き返し成るか大喜鵬。 こちら、何故か私がよく撮影する芳東。ひょうひょうと土俵を務めていて一見中堅どころに見えますが、実際は当年37歳。最早大ベテランで、旭天鵬や若の里の陰に隠れてはいますが、大変な長老力士なのであります。初土俵も平成8年1月ですから、19年目に入っています。34歳で新入幕を果たした苦労人。こういう超スロー出世力士の中では、幕内という最高階級を射止めると、そこで燃え尽きてガタガタ・・・・・と番付が急降下する力士もいるのですが、芳東はまだまだ身体の張りもあって余裕もあるという感じで、現在に至るまで関取を務めています。但し今年の名古屋場所では、約4年ぶりに幕下に落ちてしまう可能性もあります。


この日は白星を飾り、これで5勝5敗の五分に星を戻しました。芳東があまり年齢を感じさせないのは、197cmという長身で体重も170kgと、身体があるからだと思います。身長はまさに貴ノ浪クラス。体重もこれだけあると本来は巨漢ですが、身長もある分、鮟鱇型には見えません。 代わる取組は明瀬山と千代の国の対戦です。明瀬山は芳東とあまり体重は変わりませんが、身長が15cmも低いため、相当な巨漢として映ります。左四つに組合、千代の国は右上手を取っています。


最後は明瀬山の巨漢の投げの前に、千代の国は先ほどの大喜鵬同様、派手に仰向けに引っくり返されてしまいました。それにしても千代の国。再入幕を果たした夏場所は、無念の2日目からの休場。端正な顔立ちで、俳優の萩原聖人に似ていると思います。『角界の萩原聖人』という声が聞かれたことは無いと思いますが、ともかく、幕内上位に上がってきたら人気力士になる要素はあると思うし、十両優勝や幕内で9番勝った実績もあるので、同じ九重部屋の幕内なら、千代鳳、千代丸の兄弟に負けじと、番付を上げてもらいたいですね。拡大版はこちら 左側、マリンブルーの締め込みで気合の手打ちをやらんとしているのは、琴勇輝です。この後起立し、例の『ホウ!』という声出しをします。琴勇輝も意外と怪我に泣かされた力士ですが、夏場所は本当に惜しい十両優勝の逃し方をしました。


さて、こちらは気合の声出しの後です。平成の名寄岩は、赤鬼のごとき形相となって対戦相手を睨み付けます。 対戦相手は大道でしたが、勝負は大道の勝ち。大道は連敗を3で止め、星を五分に戻しました。


こちらは蒼国来。八百長騒動で疑惑解雇となってしまい、2年半の『場外闘い』を経て昨年名古屋場所に復帰してきたことは、あまりにも有名です。復帰後、負け越しが続き、初場所でようやく勝ち越しを決めた後のこの春場所でしたが、何と2日目から8連勝して勝ち越し、十両優勝の可能性も十分にありました。大阪での雄姿は復帰後初、実は宿舎の在る豊中市稲荷神社に、蒼国来を訪ねようと思っていたのですが、早起きが出来なくて結局行き損ねてしまいました。また来年の春も、少なくとも関取として大阪に来てくれることを信じています。 蒼国来の対戦相手は、かつて横綱白鵬に初顔で勝ち、その印象が現在でも残っている翔天狼です。あの時の大金星は、言葉は悪いですが丸で一発屋を思わせる活躍でありました。さて、この勝負は九分九厘翔天狼の勝ちかと思われましたが、しぶとさもなかなかのものがある蒼国来が、うっちゃり気味の突き落としで逆転勝ちし、これで自己プッチギリ新記録の9連勝となりました。初の二桁に王手をかけ、実際、この場所は11勝4敗の好成績で一気に再入幕を決めました。八百長騒動が勃発した平成23年は春場所が中止。そのため、我が地元で蒼国来の姿を拝んだのは、平成22年以来、実に4年ぶりということになります。


さて、十両の土俵が続きますが、かつての関脇の主、若の里が土俵上です。大ベテランの風格たっぷりで、肩の力を抜いて、ゆったりのんびりと塩を取っているように見えます。横綱・朝青龍に再三土を付け、横綱・武蔵丸も豪快にブン投げた怪力相撲も今は昔。白鵬に初顔から6連勝したことも、相手が下位時代ではあっても勲章と言えば勲章でしょうか?何故か平幕では横綱に勝てず、三役に上がったらどんどん倒すというのは、安芸乃島と好対照を成していました。旭天鵬が角界のレジェンドと呼ばれていますが、若の里も準レジェンドと言えましょう。 両手を水平よりかなり高く上げて塵を切るのは、ご存知、美作法力士の豊真将です。虫垂炎から復活し、初日から怒涛の9連勝。十両ただ一人の全勝で、ストレート二桁に王手をかけていました。拡大版はこちら


この日の相手は荒鷲。顔が見えているのが荒鷲で、共に185cmと同じ身長。右四つガップリに組んでいます。拡大版はこちら 豊真将が前傾姿勢を維持し、寄り切りで余裕の勝利を収めて10連勝。全勝を守りました。豊真将は結局初日から14連勝してブッチギリの優勝を決め、千秋楽、把瑠都以来8年ぶりの十両全勝優勝をかけましたが、惜しくも敗れて全勝は成りませんでした。過去、十両で全勝した力士は、全員が大関以上にまで昇進しています。そういう意味では、この場所の千秋楽、もし勝利を収めていれば、データ上は大関昇進を決定付けたことになっていたかも知れません(!?)。しかし黒星、これが大関を逃した痛恨の1敗・・・・・ということは恐らくならないのでしょうが、32歳でも未だベテランの雰囲気は感じさせない豊真将。最高位の小結を更新して、関脇には上がってほしいと思っています。


幕内土俵入りです。偶数日なので西方から。御当所関西は兵庫県高砂市出身の妙義龍が登場し、館内から大きな歓声が沸きます。それにしても、関脇で10番勝って三賞を受賞した時点では、本当に大関は近いと思ったものですが、その後の後退と低迷は、思いもよらないことでした。ところで、画面右端、妙義龍のひとり前の力士は照ノ富士です。 さあ、こちらも館内ヤンヤの喝采。御当所大阪府交野市出身の勢です。初めて聞いた時は不思議な心地がした『勢(いきおい)』という四股名も、本人自身の活躍により、今ではピンと来るものになりました。顔も端正なので人気はこれからも高くなるでしょう。この場所は、右目上の絆創膏がトレードマークでした(笑)。


豊中の隣町、兵庫県尼崎市出身の栃乃若です。豊中に隣接しているという意味では、この栃乃若こそが最も御当所な力士となります。漢字違いである先代の栃乃和歌(現栃乃若の師匠)も、かつては大いに注目していたものでした。 しんがり以外の西方幕内力士が土俵に揃った瞬間。丁度真ん中が勢で、その隣が栃乃若です。御当所が仲良く並びましたね。


画面中央、琴欧洲です。土俵入りの際も、こうして琴欧洲をカメラで追っていました。成績からしても本人の状態からしても、今場所限りで引退する可能性は濃厚と見ていたからです。長年にわたって見続けてきた元長寿大関を、最後にしっかり見届けようという気でいました。ただ、この時点で私は、13日目も生観戦をすることが確定したいたのですが、その時までは姿を見られるだろうと思っていました。この日真剣にカメラで追ったのは、飽くまでも3日後のラストチャンスの際、何かのドジで撮り損ねた場合に備えてのことでした。だから最後の土俵入りになるとは、さすがに思っていません。拡大版はこちら 左の画像では長身の琴欧洲の陰に隠れていましたが、しんがりを務める大関・琴奨菊との、佐渡ヶ嶽コンビのショットです。目の前の先輩大関が明日から土俵に上がらなくなることを、果たして琴奨菊は感じていたかどうか?見慣れた佐渡ヶ嶽揃い踏みも、これが見納めとなりました。




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