平成25年大相撲名古屋場所初日 その4


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東 方

西 方

制限時間一杯です。西が北太樹、東は碧山です。北太樹は最後の塩を撒いて土俵中央に戻ってきた時、両手をグルリと上下に回転させる動きをするのが特徴です。 勝負は碧山の勝ち。北太樹、初日は土俵に両手両膝を付いて敗れてしまいました。しかし最終的には8勝7敗、勝ち越しを果たしました。


時に流血さえ伴いそうな熱戦が想定される一番。東に豊響、西に嘉風です。怒涛の押し相撲の豊響か、張り手も交える突き相撲の嘉風か。両者気合いが乗ってきています。 勝負は嘉風の勝ち。豊響は俵の外に、背中から引っくり返りました。嘉風の動き勝ちでしょうか。


交野の星、地力を付けつつある勢です。両足でトントンと足踏みをする例の動作を撮影。端正な顔に気合いが乗っています。拡大版はこちら 初日の相手は実力者、優勝決定戦の経験もある豊ノ島でしたが、押し倒して快勝。大関級の実力者が、土俵上仰向けに引っくり返ってしまいました。豊ノ島はこの場所で4場所連続の負け越しとなり、勢いが落ちてきたようで気掛かり。


東土俵上、塩を撒かんとするのは、当場所38歳10ヶ月の大老、旭天鵬。涙の平幕優勝から早7場所。優勝翌場所だった昨年の名古屋場所の時は、初日から13連敗して2勝13敗と大負け。しかしその後、息を吹き返していぶし銀の味を出して幕内上位〜中堅に依然定着。存在感を示しています。まだまだ体も張っており、衰えは見受けられません。 巨漢の富士東を抱え込んで振り投げんとする旭天鵬。ふところの深さを生かした大きな相撲はいまだ健在。まだまだ長持ちをするでしょう。ベテランの余裕を感じる、この瞬間の旭天鵬の表情です。拡大版はこちら


最後は若手を土俵上に沈めた旭天鵬。今年になって、「さすがにちょっと力が落ちてきたか?」と苦笑いをする局面もありましたが、この場所は上位に復帰し、伸び盛りの宝富士や隠岐の海にも土を付けました。そして12日目で3勝9敗とするもその後3連勝。昨年に続いて、最後は連勝で締めくくりました(笑)。大負けを免れるあたり、地力はまだまだですね。是非奇跡の年長三役復帰を果たして下さい。 先程、勢が土俵に上がりましたが、今度は寝屋川の星、豪栄道が土俵に上がりました。これから二字口でそんきょして塵を切ります。関脇の主になって久しい豪栄道。しかし、『強い!』と感じさせる圧倒的な勝ち方や、大勝ちの成績がまだまだ少なく、決定打に欠けているといった状態です。


初日の一番、豪栄道の相手は相撲巧者筆頭、安美錦でした。左側が安美錦。右手が土俵に付いていますが、勝負は下手投げで振り回した安美錦の勝ちです。こういう一番を着実に拾っていかないと、豪栄道の大関昇進は難しい。この後も9日目で2勝7敗と大苦戦の末、最後は6連勝の離れ業でようやく勝ち越し。開眼を期待します。 豪栄道のライバル、東の関脇妙義龍が土俵上、そんきょです。対する西方は千代大龍。新たに登場してきた上位キラーに、三役常連となってきた妙義龍も負けられません。グッと集中します。一方の千代大龍も、もう上位の土俵には雰囲気慣れしているという表情に見えます。


勝負は妙義龍が落ち着いて千代大龍を捌きました。完勝・・・・・と思いきや、実はこの直前の動きの中で、相手の髷を掴んでいたとして妙義龍の反則負けとなってしまいました。これにはしかし、首を捻らざるを得ませんでしたね。流れの中で指が髷から抜けず、『故意』ではないのだから、反則とするべきではないだろう、と思うのですが。何とも「・・・・・」な一番でした。妙義龍は、結局千秋楽に勝ち越し。一方千代大龍は、初日この様な形で星を拾うも、千秋楽負け越しで殊勲賞を逃しました。 土俵上、大関登場です。先ずは前場所、14日目に不名誉な腰砕けで7敗に追い込まれながら、千秋楽に辛うじてカド番を脱出した琴欧洲。大関在位45場所目。北天佑を抜いて歴代単独4位となりました。最早優勝争いに参加する見込みは無し。ただ関心を寄せるは、「今場所無事に乗り切るかどうか」・・・・・。


最古参大関の初日の相手は、臥牙丸です(東方)。この臥牙丸、名古屋場所から廻しを変えました。ずっと水色だったのですが、この場所は何とも渋い、海老茶色の廻しで登場しています。 勝負は大関が押し倒して巨漢を横転させ、先ずは無難に白星で発進しました。この後10日目まで9勝1敗。せめて11番はいってくれるかと期待するも、終わってみれば元のさや。


こちら、顔の前を塩が横切ってブーメランを描いています。『塩の軌跡』とでもいいましょうかね?ちょうど撒いた力士の目の位置にも塩の粒がかぶっており、一見するとよく週刊誌で見られる様な、目の一部に白い点が描かれて視線が判別出来ない写真に見えてしまいます。何だか、俄かに怪しい話になってきましたね(笑)。勿論、これは全て私の妄想な訳で(爆)、この力士も誰だかお判りですよね?そう、鶴竜です。それにしてもすぐ横に座っている、元水戸泉の錦戸審判、鶴竜に何か言いたげな表情にも見えますね。やはり現役時代、ソルトシェルカーの異名で馴らしただけに、塩の撒き方に一言『物言い』を付けたくなったのでしょうか(笑)?拡大版はこちら さてそんな、大関・鶴竜の仕切りが進行している中、花道近くの客席から俄かに拍手が。この場所の主役、綱盗りの稀勢の里が入場してきました。緊張を抑えつつ、集中した表情で、これから控えに座ります。


鶴竜が取り組みます。相手は顔もよく見えている栃煌山。波に乗れば強い栃煌山。この後鶴竜を破り、初日、ただ一人横綱大関に土を付けた力士になりました。拡大版はこちら 土俵下、力水を付けるのは稀勢の里ですが、土俵上で水を受けているのは高安です。高安といえば・・・・・、そう、稀勢の里と同部屋の弟弟子です。出世を果たし、部屋の大関から力水を付けてもらえる様に・・・・・。やっぱり上がってきた者としては、非常に嬉しいことですよね。金星も嬉しいでしょうが、この様な場面で、己の出世を実感出来るというものです。拡大版はこちら


高安の相手は琴奨菊。兄弟子の難敵にしてライバルだけに、高安も一種報いてやろうという思いでぶつかったかも知れません。写真は琴奨菊お馴染みのリンボーポーズです。拡大版はこちら 土俵上、俵を挟む様に倒れているのが琴奨菊です。自らも腹ばいになり、体勢に余裕がありませんが、売出し中の若手、高安を下しました。


さあ、土俵周囲をグルリと囲む懸賞の垂れ幕・・・・・。いよいよ稀勢の里登場で館内の盛り上がりはピークに達しています。先場所の13連勝が一時の勢いかその後への起点なのか?占われる名古屋場所です。当年27歳、もうすっかり中堅どころとなって、幕内でもベテランの部類に入りつつあります。その稀勢の里、今年、遂にファンの夢を叶えるのか・・・・・? 場所入り待ち伏せの時に見た、稀勢の里応援団が盛大に始動。左端に立つ人の音頭に合わせて、力の限りの声援を送り続けます。『今やらねばいつできる!』と書かれた横断幕、いや〜、期待が熱い分、言う事は厳しいよですねぇ。


注目すべき初日の対戦相手は豪風。その豪風がこちらを向いて苦笑いを浮かべていますが、これは立ち合い呼吸が合わず、待ったになった直後です。稀勢の里は気合いが乗った表情を崩さず。さあ、もう一度立ち合いです。 いざ対戦。動き回る豪風をよく見て、稀勢の里が相手を正面に置いています。右で抱え、左で相手のかいなの下を追っ付けて攻めます。結局この日は大関が完勝。少しもちゃもちゃした印象が無いでもなかったですが、危なげない体勢で勝ちました。


金色の廻しが一際引き立つ、松鳳山土俵上です。結び前の一番、この場所の松鳳山は、前場所前頭5枚目で8勝7敗ながら、奇跡的な番付運で東小結まで躍進しました。小結は2度目ですが、前回は西小結だったから、最高位です。もしこの場所が新三役だったら、そのあまりのラッキー昇進さに、「三役に上がらないと結婚しない」と発破をかけていたフィアンセもちょっと、「・・・・・」な心境も交えつつ喜んでいたかも知れません。とにもかくにも役力士、気合いをこめます。 西から登場するは横綱・日馬富士。前場所は11勝4敗。過去のいろんな横綱の成績を振り返れば、決してここまで叩かれる成績ではないのですが、白鵬を見慣れ過ぎている故か、やたらと求める成績のハードルが高くなっています。ならばと見返して、名古屋場所3連覇を目指さんとしていた日馬富士でしたが・・・・・。


西の横綱、日馬富士が白星で初日を飾った後、第一人者横綱白鵬が結びの土俵。この写真は最後の塩を撒くところで、相当気合いが乗った表情になっています。そして汗も相当すごいですね。目下30連勝中。名古屋場所はかつて3連覇をした事がありましたが、その3回目の時は賜杯は抱けず、従ってもしこの場所優勝すれば、名古屋では4年ぶりに賜杯を抱くという事になっていました。 初日の対戦相手は、曲者、久し振りに三役に返り咲いた時天空。新十両・新入幕ともに白鵬より一場所遅れだった時天空も、トゥクトゥクパワーで気合いが入っています(笑)。


時天空が白鵬の腕を手繰っていますが既に土俵外。体を寄せた白鵬が完勝しました。これで7場所連続初日白星の白鵬。31連勝です。 この日は弓取りもじっくり最後まで観てから客席を後にしました。聡ノ富士による弓取りです。スピード感溢れる弓捌き。華麗に弓を操る姿に館内からも拍手が沸きました。


弓取りのせり上がりです。形としては雲竜型ですね。横綱になれずとも独壇場での土俵入りを体験出来るのは、弓取り力士だけです。まさに特権。それにしても、なかなか気持ちのこもった、いい表情をしていました。この聡ノ富士(さとのふじ)、年齢は実に36歳で、私はよく記録を知りませんが、歴代の弓取り担当力士の中でも最年長の部類に入ると思います。拡大版はこちら 最後はおまけ。この日は七夕だったので、会場ロビーにも大きな笹が飾られていました。短冊も沢山掛けられていますが、さて、皆さん何を願っていたのか・・・・・。名古屋よ、また来年。



以上、大相撲名古屋場所初日の観戦記をお届けしました。
それにしても、この日から急に猛暑になりました。場所入り待ち伏せをしていた時、最後は本当に熱中症までカウントダウンか?と思いました。あの、全く日陰が無い場所に、1時間半立ち続けるというのは、かなりのサバイバルゲームになってしまうかも知れません。
それでも、来年も懲りずに待ち伏せますよ(笑)。

相撲の方は十両は遠藤に大砂嵐、幕内は蒼国来に稀勢の里。大いに館内が沸いたと思います。ブランク長しの蒼国来以外は白星で飾れたのも良かったのではないでしょうか?しかし蒼国来に見られた様な悲劇は、もう二度と繰り返されてはなりません。
効率よく成果を上げることは大切ですが、拙速に偏った面から結果を急ぎ過ぎるというのは、これもしてはならない事です。
これからも、大相撲が常に真剣勝負で、熱戦に次ぐ熱戦を展開してくれることを、祈念して止みません。

今回も4ページになりました。全部見てくれた方、本当にありがとうございます。



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