平成24年大相撲春場所三日目(前編)


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東 方

西 方

待ち兼ねました、2年ぶりの春場所です。昨年は、前代未聞の本場所中止という事態になって、しかも中止になったのが、よりによって(言い方は悪いですが)、年に一度の地元場所、大阪場所でした。「もうこんな非常事態は二度と起こって欲しくない」と願い続けて1年、漸く春場所が復活しました。思いがけず1年飛んだ事で、やはりある種の感慨はありました。前回開催以降に幕内に上がってきた、新鋭の高安の幟も視野に、入口の幟を先ずは撮影しました。 幟の写真をもう一度。光線具合により、やや暗い画像になっているのは申し訳ないです。中央に写る琴奨菊は、今や大関になりました。前回開催時には、まだ三役と平幕を行ったり来たりの、『万年候補格』でしたね。2年という月日は、相撲界にとっては顔ぶれも番付も大きく変わるのに充分な時間だと思います。


是より暫し、『場所入りシリーズ』です。この光景、やはり懐かしいですね。雅山の場所入りです。手前に写る、整備員を務めていた若い人は、群がるファンの行列相手に、最長でも3分に1回は、「すみません。あと1歩後ろに下がって下さい。お願いします」とアナウンスしていました。ご苦労様でしたね(照笑)。 御年36歳の大ベテラン、若の里の場所入りです。ゆったりどっしりとした場所入り姿です。朝青龍の全盛期、大関候補と言われたのも今では遠い昔か?しかし今でも幕内でいぶし銀の名ベテランとして活躍。何度か十両に落ちるも、すぐに幕に返り咲く地力はさすがです。


こちら、『上がったり下がったり』の栃煌山です。白鵬が4場所連続全勝優勝を達成して連勝が62まで延びた頃は、連勝を止める有力候補はこの栃煌山でした。実際、その時点の本場所だった平成22年秋場所には、栃煌山は関脇で11勝4敗。依然伸び悩んでいた稀勢の里や琴奨菊よりも、こちらの方が早く大関に上がるのでは?と思われたものでした。地力は認められる栃煌山、『夢よ、もう一度』ですね。 ご存知、マツコデラックスそっくりと言われている、宝富士です。この力士も、幕内としては初めて春場所を迎える新鋭ですが、それにしても、もし土俵上で、デラックスVS宝富士の対戦があったら、これはオモロイ・・・・・。んで、マツコデラックスは土俵に・・・・・上がれるんだよね?つまり、女性禁制の土俵では、という事で・・・・・???一度、テレビでは共演したとか。


さて、この力士こそは、昨年、大阪場所が中止になった最もショックを受けた力士でありましょう。御当所の実力者、豪栄道です。かつてのエースも今では中堅どころに近くなってきました。気の強そうな強面の顔なのですが、今一つ大関への壁を突破出来ない原因は何か?やはり引いてしまう相撲を取る事にあるのでしょうか?だけど春場所は、千秋楽の鶴竜戦など、一気に前に出る素晴らしい速攻相撲を取りました。成績も大勝ち。やはりこれからもどんどん前進攻勢の相撲を取り続けて、顔に似合う『恐がられる力士像』を目指して欲しいなと思います。いやしかし、なかなかの堂々たる場所入りです。お客さんからの声援ボルテージも最高潮。拡大版はこちら さて、強面力士といえば、こちらも負けてはいません。かねがね、琴桜そっくりと感じている、豊響です。“響”という字が、この力士には似合っていると思います。その名の通り、土俵に地響きが走るかのごとく、豪快で迫力満点の相撲を取って欲しいですね。そして片や“豪”栄道“豪”太郎・・・・・、いいですねぇ。この二人の対戦がもしあれば好カードになっていたでしょうが、同部屋のため、本割での対戦はありません。惜しい!


代わりまして、玉鷲です。かつて大関・魁皇を相手に、徹頭徹尾突き放す激しい相撲で勝った事もありました。モンゴル出身、若き頃の朝青龍にどことなく似ているのは、やはり同じ民族という事ですかね。 さあ、注目の力士の御入場で、俄然、その場が沸いてきました。綱盗りに挑む、把瑠都の登場です。前場所で悲願の初優勝。綱盗り待ったなしの声が掛かっていました。確か前回、2年前の春場所の時は大関盗りで、14勝1敗という、優勝した前場所と同じ成績を収めて見事昇進を果たしました。あれから2年とは、考えてみれば早いものです。大関・綱、どちらも盗り場所≠ェ春場所になった把瑠都。大阪は、のちのちも把瑠都にとって、忘れられない場所になる事でしょう。拡大版はこちら


粋な侍のごとき、なかなかの男前の風貌で現れたのは、栃ノ心です。栃ノ心も、かつては4大関撃破があったり、12勝で千秋楽まで優勝争いをした場所があったり、地力を付けていたのですが、どうもこの場所は元気が無かったです。 愛嬌たっぷりの笑顔を振りまいて登場したのは、四股名も愛嬌があって覚えやすい、臥牙丸。入幕当初、巨体を持て余して下位に甘んじている印象があった臥牙丸は、最近では上位に進出し、さすがにまだ勝ち越しは果たしていないですが、下位では大勝ちして三賞に輝く様になりました。かつての小錦よろしく、ブルドーザーのごとき圧力相撲で横綱を倒す事がもしあったら、すごい!


モンゴル勢の中でもベテラン格となった、時天空です。『星岩涛二世』と言ってもピンと来る人は僅かかも知れませんが、要は当代切っての“十八番蹴手繰り”という事です。春場所も大関・稀勢の里を、蹴手繰りで土俵に這わせました。かつて年間6場所負け越しという苦い経験をするも、その後も大勝ちがあったりと、勝ち越しも何度も果たして幕内に定着しています。春は上位で大負けしましたが、下位に下がればまた大勝ちも期待出来ます。 魁皇引退後の和製大関第一号、琴奨菊の場所入りです。この日、一緒に観戦する予定だった人は、この琴奨菊の姿を見るのを楽しみにしていました。しかし、電動車いすのバッテリーが故障してしまうという、何とも気の毒な理由で来る事が出来ず、不出来な写りながら、私が琴奨菊の姿をゲットしました。なお、私はかつて、春場所の会場前に到着した時、丁度車から降りたばかりの琴奨菊を、まともに正面から撮影出来た事があります。


嘉風です。実は前回2年前の春場所、嘉風はちょうど私の立っていた正面から現れて、絶好のシャッターチャンスだったにもかかわらず、気付くのが一瞬遅くて撮り損ねた事がありました。何故気付くのが遅れたのか?この画像での嘉風もそうですけど、大銀杏を結っていない姿なのです。大抵の力士が大銀杏姿で場所入りする中で、嘉風は何故か髷姿。そのため、関取と気付くタイミングが一瞬ズレて、顔を見て「アッ!」となった分けですね。気っ風のいい相撲でしばしば大関も食う嘉風。同僚の豪風が既に果たしている三役昇進が期待されるところですが、先ずは二度目の正直で場所入り姿をゲットしました。それにしても、結構ガン飛ばしてますよ(笑&怖)。 さてさて、この力士こそは結果的に春場所の最大の主役となった、鶴竜です。把瑠都の綱盗り場所として始まったこの場所ですが、終わってみれば鶴竜が優勝決定戦を演じて大関に昇進。史上初の6大関を実現させる形となりました。ここ2場所連続で10勝5敗。そのためこの場所、序盤の時点では、まだまだ大関盗りという実感は観る側にもありませんでした。それが、あれよあれよと13勝2敗。鶴竜も関脇は長く、大関盗りも決して初めてではありませんでしたが、直接にはノーマークだった場所で昇進を決めたという事で、どこか『ワンチャンスをものにした』様な印象を受けます。しかしこの鶴竜、顔は犬みたいで可愛らしい感じですが、大銀杏姿が実によく似合う、さっそうとした雰囲気ですね。思えば既に大関の風格が現れていた?!拡大版はこちら


大ベテランの旭天鵬です。土俵生活20周年。パイオニアモンゴル力士は、今も幕内でカッチリとした四つ相撲を取り続けています。この力士は、本当にいい笑顔をしていますよね。まだまだ取れる体ですが、師匠の大島親方が定年になった際、どうなるのか実は少し気になっていました。結果は現役続行で友綱部屋移籍ということで落ち着きましたね。御年38歳の最年長関取ですが、満40歳まで幕内で取ってもらいたいものです。 俄かに場が騒然としだしたと思ったら、いよいよ登場です。横綱・白鵬。今や優勝回数で見ても立派な大横綱。金星も5個しか献上していないというその安定感は、誰にも真似出来るものではないでしょう。私の目の前を通り過ぎて行った瞬間、無我夢中でシャッターを押しました。場所入りからして独特のオーラがあり、傍で立っていて一瞬緊張が走りました。拡大版はこちら


さあ、場所入りをたっぷり堪能した後は、いよいよ館内での取り組み観戦です。改めて、2年ぶりの御当所場所、懐かしいです。この2年で私自身も結構いろいろあったし、時間が経ったなぁと感じました。実は私は昨年名古屋場所も、足の怪我のために行けませんでした。だから、本場所観戦自体、おと年の名古屋以来という事になった分けです。この日は車いす席での観戦。最初に目にした取組は、こちら、武州山−高見盛戦でした。今まさに勝った力士が、十両では人気ナンバーワン、高見盛です。館内に入った時、ちょうど高見盛の最後の気合い入れの時で、館内のボルテージはいきなり最高潮状態でした。 勝って二字口に戻る高見盛。両手は握りこぶし、『やったぞ』モードの顔です。この後、画像には収め損ねましたが、『ソックリ返って』花道を引き上げるお馴染みの光景が見られ、館内爆笑の渦と化していました。


代わる土俵は双大竜−魁聖です。双大竜は、典型的な鮟鱇型力士。顔付きは、普天王の目を細くしたバージョンの様に見えますね(笑)。 塩を取る魁聖。かの名大関魁皇の弟弟子。昨年の技量審査場所で幕内デビューを果たし、敢闘賞に輝くも、この場所は十両に落ちていました。


勝負は寄り倒して魁聖の勝ち。ブラジル出身。真面目な感じがする力士で、また幕内に定着してほしいです。 土俵上、塩を取る、こちら琴勇輝です。十両4場所目。自己最高位の十両筆頭に躍進してきた、この時点で満20歳の若手です。横綱・千代の富士が引退した時は、生後1ヶ月でした。日頃より私がインターネット上で交流している方の中に、琴勇輝を大の贔屓とする方がおり、そのためここでは暫く、琴勇輝の姿を追っていく事にします。


行司の立ち位置とどうしても被ってしまいますが、土俵上チリを切る琴勇輝です。この顔は、一度見たら忘れられない顔ですね。目鼻立ちが大きく、大変アピール度の強い顔をしています。とても20〜21歳の若年とは思えない風貌ですね。拡大版はこちら 土俵上、対戦相手を睨みつける琴勇輝。私は、仕切りを続ける琴勇輝の表情を追っている内に、ある力士の顔が不意に脳裏から飛び出してきました。その力士とは、名寄岩。元大関、怒り金時と言われ、映画化もされた『涙の敢闘賞』のエピソードでも知られています。その名寄岩に、どこか顔立ちが似ている気がするのです。何となく、ただ者ではなさそうな雰囲気を漂わせる琴勇輝。幕内上位に上がってきたら、人気を博す存在になるかも知れません。拡大版はこちら


そんきょする名寄岩・・・・・もとい、琴勇輝。対戦相手は幕内上位の経験もある土佐豊です。 仕切らんとする琴勇輝。将来、もし大関に昇進をしたならば、四股名を『小豆岩』に改めるのでしょうか(?!)。因みに、先ほど来、私が顔が似ていると称している名寄岩も、やはり21歳の時には十両を務めています。


相撲は完敗でした。やはりここは幕内上位を経験している者と入幕未経験の者との差がハッキリ出たか。しかしまだまだ今からなので、今後も変化などせず、堂々とした相撲を取り続けて欲しいです。勝った土佐豊は、かつて白鵬との結びの一番を務めた事もあります。 続いての土俵は小兵の代表、磋牙司と、まだザンバラ髪の若手、千代大龍です。恐らく磋牙司は、「まだ髷も結えない相手に負けてたまるものか」と、闘志を燃やしていたと思うのですが・・・・・。


おっとー!しまったぁ!土俵上に思わず片手を付いてしまった。この手付きで、勝負は負けとなります。悔しい磋牙司。幕内で勝ち越した実績もあるのですが、この日は元々手の位置が土俵に近いのが災いした?!拡大版はこちら 東方、幕の内土俵入りです。本場所観戦がおと年7月以来で、その後巡業や断髪式の見物も無いですから、土俵入りも1年8ヶ月ぶりの見物となります。この場所の幕内土俵入りの中で、観客の目を一心に集めていたのは、やはり軽量ソップ型筆頭の隆の山でしたね。生で見ると、細さが際立ちます。隆の山の隣は玉鷲、そして勢、北太樹と続いて、後方、進行しているのが朝赤龍です。


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