平成21年 大相撲名古屋場所十日目


※右側(西方)の画像をクリックすると、一つ下(次の段)の画像にジャンプします。


東 方

西 方


6年連続通算8回目となった名古屋場所観戦。今年は名古屋
では初めて、『日馬富士』ののぼりがお目見えしました。前場所
念願の初優勝。この力士が主役で、この場所は始まりました。

こちらも旭天鵬、垣添といったベテラン力士の四股名と、
新鋭の猛虎浪、山本山の四股名が風になびいています。



まだ空席も目立つ三段目の取り組みですが、アナウンスでの
四股名紹介に俄然館内が沸きました。『右肩上り』。ハッキリ言って、
「何じゃいなその四股名は」と、場所前、テレビのニュースで初めて
『珍名報道』を聞いた時は思いましたが、本人も苦笑いをしたとか。
この画像、確か右側の力士が右肩上りだったと思うのですが、
どうも記憶がハッキリしていない様で、申し訳ありません。

十両土俵入りです。先頭で登場したのは、返り十両の北桜です。
37歳の大ベテラン。館内から盛んに声援が飛んでいましたが、
成績は既に7敗と、あとが無くなっていました。拡大版はこちら



十両の土俵から。元幕内の十文字です。昔から付き合いのある
相撲ファン仲間がひいきにしているという事もあり、かつてはよく
画像に収めていたものでした。幕下に落ちて低迷していましたが、
夏場所で再十両。2場所目の名古屋でも見事勝ち越しました。

こちらは海鵬と若天狼の対戦。右の若天狼は、昨年秋場所、
実に4年8ヶ月ぶりに十両に返り咲いたという苦労人。四股名が
何となく、モンゴル出身をイメージさせますが、北海道出身です。
かたや海鵬は青森県出身。相撲所対決です。



土俵下、控えに入るのは、十両では一番人気、北桜です。
戦後2番目の高齢再十両。気持ちは常に青春真っ盛り。しかし
悲しいかな身体が付いてこれず、ここまで2勝7敗でした。しかし
この日は見事勝利!館内大拍手でした。ここから終盤巻き返し
といきたかったですが、結局3勝12敗。願わくばこの一番が、
関取としての最後の白星にならない事・・・・・。

こちら、両方土俵外に出ていて、勝敗が分からないショットになっ
ていますが、勝ったのは左、豊桜です。兄北桜が、必死の頑張りの
末に手にした白星を見て、少なからず発奮したはず。初日から
ヌケヌケの星勘定でしたが、偶数日の10日目は勝つ番の日でした。
つまり初日が黒星だった分けで、この場合、千秋楽に負け越して
しまうので、絶対どっかで連勝しなくてはなりません。豊桜はこの翌
11日目に勝って6勝5敗。初めて白星が先行しましたが、結局その
後3連敗して負け越し・・・・・。千秋楽に勝っての7勝8敗でした。



堂々たる勝ち方をしたのは、元関脇・若の里。ケガで十両に
落ちていたこの場所、見事14勝1敗で十両優勝。惜しくも把瑠都
以来の全勝優勝は成りませんでしたが、御年33歳。まだまだ
十両では段違いの強さがある事を実証したのでした。次の秋場所
では文句なしの再入幕。再び上位で頑張れ!

西方、幕の内土俵入りです。中央の一つ右側にいる玉鷲を別と
しますと、比較的ベテランが顔を揃えているこちら側の土俵入り。
中でも右から3番目に写る出島には、多大な声援が送られていま
した。あの10年前の時に負けない位の・・・・・。拡大版はこちら



土俵を廻る4大関。この日は、日馬富士以外の大関全員が、
西方でした。しんがりを務めた琴欧洲と、3人目の琴光喜の
『佐渡コンビ』が、この場所大ブレークしていました。

東方幕の内土俵入りです。こちらでは、鶴竜、稀勢の里、阿覧、
把瑠都(いずれも左から)といった、これからが期待される
若手勢が顔を揃えていました。拡大版はこちら



横綱・朝青龍土俵入りです。全盛期をよく知る者にとっては、
ここ最近の朝青龍は物足りない限りでした。この日も目下
連敗中という状態。何とかもう一度、白鵬との相星決戦を
見たいと願うファンは、私一人ではないはずです。

雲竜型のせり上り。やはり何度見ても、この型はいいものです。
思い出すのは平成17年。あの7連覇を成し遂げた年の絶頂期の
朝青龍土俵入りをこの愛知県体育館で撮り、それが翌年12月に
行われた、鹿児島県徳之島巡業のチラシの写真として
使われた事です。本当に光栄でしたね。拡大版はこちら



横綱・白鵬土俵入り。あの新横綱の場所から、早3年目となりま
した。実力下降気味の朝青龍に代わって、今ではすっかり第一
人者となりましたね。朝青龍より身長があり、何より化粧廻しが
程よく長い分、白鵬の土俵入りの方が、堂々として見えます。
それにしても、独特の風格が漂いますね。拡大版はこちら

不知火型のせり上り。シャッターのタイミングはバッチリだった
のですが、少々画質はブレました。しかし画像はブレても、
白鵬の相撲に一切のブレはありません。拡大版はこちら



白鵬の土俵入りで特徴的なのが、この四股を踏む前、少し膝を
曲げて、『貯め』のポーズを取る事です。双葉山を模したという
事ですが、どうもこのクッと一瞬膝を曲げる動作は、女性的な
動きにも映ると感じるのは、私一人でしょうか?

さて、ここで一旦休憩して、売店タイム。左側に相撲人形が
沢山売られていますが、何回かお土産に買った事があります。



中入り後、最初の一番は、館内が大きく沸く一番でした。進退が
懸かっていた出島です。土俵上、決死の覚悟でちりを切る出島。
私の中でも、「例え今場所の危機を乗り越えたとしても、次に本場
所を観戦する来年春場所までには引退しているだろう。」という思い
になっていました。従って、生で出島を見るのはこれが最後。私は
しかと目に焼き付けようと思いました。今でも大関というイメージが
残っている出島。長く平幕で取る様になっても、心はいつも、
『力のもののふ』だったのでしょうね。拡大版はこちら

塩を撒く出島。結局この力士も、最後まで本名で取った一人と
なった分けですが、それにしても最高の本名だったと思います。
『出島武春』、4文字全てが実に理に適っていました。『出』は
出る相撲 『島』は崩れない安定したイメージ 『武』は
武蔵川部屋の力士≠サして『春』は我が世の春=E・・・・。
これほど、相撲のタイプから所属部屋から縁起の良さまでを、
生まれ持っての本名だけで表せた力士は、少ないのではない
でしょうか?今後も是非、後進の育成に期待したいです。



さて、この日の相手は春日王でした。組んで寄られるも粘りを
見せ、最後まで攻めの執念も見せたのですが、及びませんでした。

時天空が引き落として勝った一番。相手は若荒雄です。
新入幕相手に、格の違いを見せ付けました。



おっと!不覚にも手を付いてしまったのは霜鳳です。
勝ったのは引き足の速い豪風。

ブレた画像ですが、これは栃乃洋と嘉風の一番。ベテラン
栃乃洋の勝利です。ライバル出島に引退されましたが、気落ち
せずにまだまだ頑張って欲しいです。一方、嘉風は上位定着の
気配も見せかけていましたが、また下位に落ちてしまいました。



相撲巧者の豊ノ島が、いなして新鋭の玉鷲を破る。敗れた玉鷲に、
やけにピントが合う画像になりました。元大関候補の豊ノ島は、
一場所でも早く、関脇に復帰して欲しいです。まだ26歳。このまま
中堅に安住するのは惜し過ぎます。日馬富士に続け!です。

スロー出世の苦労人、武州山が、ブログ普及の苦労人(?!)
普天王を投げ倒します。自己最高位に戻った武州山は、この場所
見事に左右対称の星勘定となりました(5勝10敗)。



さあ、館内どよめく中登場してきたのは、“見れば分かる”No.1、
山本山です。幕内4場所目。当代一の重戦車の存在は、今や
ファンによく認知されるところとなりました。成績は地味ですが、この
先、どこかで大ブレークして上位に進出してくれれば、好カードが
増える事間違い無し!となるはずでしたが・・・・。拡大版はこちら

あらら、この日は実力者玉乃島に敗れてゴロリ。しかもこの翌日の
一番でケガして途中休場。秋場所は十両に落ちてしまいました。幕内
の顔になりかけていただけに、残念な陥落です。拡大版はこちら



私の呼ぶところ、『琴桜二世』である豊響。ぶちかましから一気に
持っていく相撲内容もさる事ながら、顔があの猛牛 琴桜に大変
よく似ています。この人はもし将来横綱になったら、間違いなく
不知火型の土俵入りが似合う事でしょう。その豊響、この場所は
2度目の正直で幕内上位挑戦でした。初挑戦の場所が網膜剥離
で全休。横綱・大関挑戦は幻に終わってしまいました。その悔しさ
を胸に秘め、この場所、ついに夢実現となったのですが、結果は
豪快に跳ね返されるものとなりました。画像は塩を撒いて土俵に
向かう時。撒いた塩が自身の前で飛沫(しぶき)になっています。

さて、いよいよ御当所の大ヒーローが登場です。大関・琴光喜。
しかも今年の名古屋は絶好調。優勝争いにしっかり加わっていて、
まさに地元ファンとしてはたまらない状況。一段と、声援のボルテ
ージも高くなるというものです。背中から、同じく絶好調の同胞、
琴欧洲の『無言のエール』が送られる中、キリッとした表情でチリを
切る琴光喜。凛々しいまでに気合い十分です。ご当地の声援を、
力に変える自信がある事が窺える表情。かつての、プレッシャー
になって自滅する琴光喜は、もうここにはいません。



塩を待つ琴光喜ですが、本当に気合い十分の表情です。地元の
声援を、絶対に力に変えるんだという、決意と自信に溢れています。
これは一つ、いいところを見せてくれそうですね。精神的に強くなり、
充実し切っています。絵にしたくなる様な立ち姿。拡大版はこちら

この日の対戦相手は、これまた好調の大物、把瑠都。注目株が
相手だけに、一層気合いが引き立ちます。ご覧下さい、この厳しい
表情。これだけの強気な表情は、かつては御当所ではなかなか
出来なかったものです。拡大版はこちら



当たった、攻めた、勝ったぁ!巨漢の難敵を退けた琴光喜。
大関らしい、力のこもった勝ち方で、御当所のファンは大喜び。
何よりの、ファンへの土産になったと思います。それにしても
ノッていますねぇ。圧力と強さを充分に感じました。

この一番、稀勢の里−琴欧洲戦。かつては稀勢の里が圧倒
していました。琴欧洲攻略法を心得ており、自信を持って取って
いると評されていました。しかし、最近はすっかり期待薄な取り
組みとなってしまいました。稀勢の里が完敗してしまう事が多い
からです。他の大関陣には滅法強く、全体的に横綱・大関から
満遍なく白星を奪っている稀勢の里ですから、当然実力者では
あるのですが、この琴欧洲には、最近通じなくなっている様です。



日馬富士−魁皇の新旧大関対戦。新鋭が古豪を投げ転がして
勝ちました。魁皇は完全に仰向け状態。

さて、結び前に登場した、大関在位63場所目千代大海。夏場所の
しぼんだ体に比べると、まだ回復はしましたが、もう体中ボロボロ
で、闘魂大関もすっかり“ボロ魂”状態になってしまっています。
33歳。ツッパリ相撲でよくぞここまで長持ちしてきましたが、最早
8番勝つのもギリギリというのは、本当に『最晩年大関」と言えます。
果たして後1度でも、優勝争いに加わる事があるのか・・・・・?



さて、千代大海の対戦相手は、『平成の不沈盤』白鵬。横綱
昇進後の白鵬にも2回勝っている千代大海ですが、今ではもう
勝ち目無し。簡単に捕まえられて、寄り切られました。東の横綱
白鵬はとにかく磐石です。非の打ち所が無いほど安定しており、
特にそのどっしりとした下半身は、乱れる事がありません。この先、
どこまで時代を作り続け、記録を伸ばし続けるのか・・・・・?

平成21年名古屋場所十日目、結びの一番。横綱・朝青龍土俵上で
す。懸賞垂れ幕が回り、土俵が掃き清められる中、塩を撒く朝青龍。
それにしても、今年に入り、初場所こそ館内の空気を独り占めにして
復活優勝を果たしたものの、その後は影が薄くなっている事は否め
ません。夏場所は琴欧洲戦、そしてこの名古屋では日馬富士戦で
魅せ場≠ヘ作ってくれるのですが、最後は何とも寂しい終わり方を
します。出場停止を別とすれば休場も歴代では少なく、長寿になり
つつある横綱・朝青龍。白鵬の足音がヒタヒタと迫る今、『栄光よ、
もう一度』の気持ちで、圧勝・圧倒の土俵を見せて欲しいものです。
何といってもこの力士は、館内の空気を『引き付ける強さ』では、
群を抜いているのですから。拡大版はこちら



よもやの十日目に勝ち越しをかける展開になっていた朝青龍
ですが、同郷の後輩で、売出し中の鶴竜を四つんばいに。勝利
を収めました。しかし、内容は往年の威圧感に満ち満ちた強さ
には程遠いもので、今一度、威厳たっぷりの相撲を見たいです。

男女ノ里の弓取りです。今まで撮影した弓取りの中で、一番
きれいに撮れたと思います。何といってもこの時間帯には帰る
お客が多いため、席を立った人の頭が邪魔になって、うまく
撮れない事が多かったのです。拡大版はこちら

 以上、平成21年名古屋場所の観戦記でした。
 今回の観戦で最も印象に残ったのは、やはり結果的に、元大関・出島の引退僅か1日前の相撲を生で見た事でしょう。
 私は平成19年春場所の、やはり十日目を観戦した時にも、結果的に、大関・栃東の現役最後の1日前の相撲にして、最後の白星を見届けたという事がありました。この様な体験を2回もするという事には、何か数奇な巡り合わせを感じます。そして出島なのですが、本人も記者会見の中で語っていた通り、あの優勝した思い出の名古屋で引退となったのは、非常に良かったと思います。そして、丁度10年というきれいな区切りで引退するのも、何だか出島らしいなと感じます。本当にお疲れさまでした。
 今年の名古屋は、席は比較的いい位置を取れたので、土俵入りのショットは狙いやすかったです。既に朝青龍が晩年期に差し掛かっている様に思われますが、来年の名古屋も、ぜひ2横綱(出来ればそれ以上)が土俵に上がる様に、祈りたいです。


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