※右側(西方)の画像をクリックすると、一つ下(次の段)の画像にジャンプします。


東 方

西 方


通算13回目となった春場所観戦ですが、今年は3年振りに、
1回のみの観戦となりました。残念ですが、私の時間的な都合
でした。ただ、この日は昨年3日目同様、車いすの人2人と計4人
での観戦が、実現出来ました。最初の画像は十両土俵入り。
中央に写るのが、新十両だった隠岐の海です。その左隣の巨漢
力士は、昨年まで本名・市原で取っていた、清瀬海です。

全員が土俵に上がり、向き直ったところですが、向こう側中央に、
皇司の姿が見えます。37歳の大ベテランだった皇司は、御当所
でもあるこの場所限りで引退しました。因みに昨年のこの春場所
では幕内におり、初日から4連勝の好スタートを切りながらその後
悪夢の10連敗、5勝10敗に終わってしまったのですが、それが
最後の幕内となりました。在位30場所でした。拡大版はこちら



昨年同様、車いす席から見た光景は、ちょうどこの様な感じに
なります。土俵入りに向かう力士を、縦一直線で眺めるこの
角度は、いつ見てもなかなか壮観です。

さて、こちらは幕下と十両の取り組みなのですが、土俵上、気合い
を込めた表情をしているのが、幕下力士です。見てのとおり、北桜
ですね。そう、この時は幕下に下がっていたのですが、それでも
十両復帰を目指して懸命の土俵を続けていたのです。そして見事
この翌場所後、史上2番目の高齢という記録付きで、十両復帰を
実現させました。「おめでとう、北桜!」です。そして控えには、同い
年で、既に内心、引退の心積もりをしていたであろう、皇司。
何とも言えないコントラストと、ドラマが交錯していました。



取り組む北桜。この一番に、北桜は勝ち越しが懸かっていた
のですが、懸命に寄って4勝目。見事勝ち越しを決めたので
した。館内ヤンヤの喝采。土俵下、ギリギリ顔が見える皇司
の心境やいかに?といったところでした。

さて、その皇司です。勝ち越した北桜と対照的に、1勝8敗と
既に負け越していた皇司。過去、何枚も画像を撮ってきた皇司で
すが、結果的に最後の一枚となったこの画像は、エラくブレたもの
に終わりました。なかなか最後をきれいに括れないものですが、
得てしてそういうものでしょうか?気合いを入れて、最後の塩に
向かいますが、勝負は敗れ、この2日後の一番を最後に休場、
そのまま引退の運びとなったのでした。



勝負が決まった瞬間!を撮影したのは、白馬と春日王の一番
です。元幕内の春日王が、十両で頑張っていました。勝った
ほうが春日王です。そして土俵下には豊響の姿が見えます。

さて、日馬富士ばりの銀の締め込みを着けた豊響が土俵に上がって
います。そして対戦相手は潮丸。豊響はある意味非常に不運な力士
です。前頭2枚目と、横綱・大関に挑戦出来る地位にまで番付を
上げながら、網膜はく離という、よもやの事態で休場。結局、十両に
落ちてしまったのでした。ケガや病気ではないだけに、体は動くのに
土俵には上がれない、本人も地団太を踏む悔しさを味わったと思い
ます。しかし、その悔しさをぶつけて、この場所は見事十両優勝。体
自体は問題無かっただけに、十両での段違いの強さは当然と言え
ます。私はこの豊響を見ながら、新入幕を果たしながら全休し、十両
で再起となった、現大関の琴光喜を思い出しました。



塩に分かれる豊響と潮丸ですうまく2人の顔が収まっているだけに、
惜しむらくはピンとが合っていなかった・・・・・。この2人の顔合わせ
というのは、或る意味興味深いものがあります。豊響が、想定外の
事態で十両に落ちたから実現した顔合わせだった分けですが、
こちら潮丸も、既にこの時、翌場所限りで引退して東関部屋を継ぐ
事が内定≠オており、実際、私はそれも意識して、潮丸の最後の
雄姿をカメラに収めました(写りとしては失敗でしたが・・・・)。再入幕
確実視されていた豊響と、残り1場所と決まっていた潮丸と・・・・。

館内に垂れ下がっていた、『一日一番 真っ向勝負 日馬富士』と
書かれた横断幕。ほかに『がんばれ琴国』、『がんばれ豊響』と
書かれた横断幕も見えます。その豊響、左画像の一番でも、見事に
勝ちましたね。なお、この画像はまだ人もまばらだった、15:00前
に撮影したものです。ちょうど北桜が土俵に上がった頃でした。



幕内土俵入りです。真正面には、大ベテラン土佐ノ海がいますね。
その右隣は新鋭・木村山。そのさらに隣は、これまた“長老”、返り
入幕の豊桜で、新旧混在模様を呈しています。拡大版はこちら

向き直り、最後の両手を上げた瞬間。このショットが、しばらく撮れず
にいたのですが、久しぶりに撮れました。相変わらず一際高く上げて、
万歳の両手になっているのが把瑠都です。拡大版はこちら



横綱土俵入りですが、車いす席からは、どうしても背中向きという
アングルになります。2横綱がいるわけですが、綱の輪が2つある
事から、不知火型の白鵬である事が分かりますね。もっと相撲通の
人は、太刀持ちが立浪一門旭天鵬である時点で、高砂部屋(=
高砂一門の本家)の朝青龍ではないほうの横綱=白鵬と判明出来
るかも知れませんね。ちょっとマニアック過ぎましたか・・・・・?

車いす席の様子を今再び。介助者を入れて8名分のこの
スペースですが、ギッシリ人が並んでいるという印象ですね。



さて、この日の中入り後の一番で注目したのは、入幕2場所目の
超巨漢、山本山です。252kgの体がノッシノッシと土俵に上がった
時は、やはり館内は沸いていましたよ。ホント、『幅が広い!』
肉眼で大関・小錦を見た事がある世代としては、やはりダブらせず
にはいられませんでしたね。前回、去年の名古屋場所千秋楽で
観戦した時は、同部屋の里山と幕下優勝決定戦を演じていました。

そして山本山のこの日の対戦相手は、細身で顔も面長の栃ノ心
でした。さすがに体重にモノを言わせて『圧力勝ち』しましたね。
一緒に観ていた人たちも、「うわ!デカ〜!」と感嘆していました。



組み合っているのは、豊桜(左)と普天王(右)です。そして土俵下
では、まだあまりヒゲモジャじゃない黒海が見上げていますね。
この一番は長い相撲になり、途中豊桜に対して、行司の『廻し待った』
がありました。あまり見かけない光景に、一緒に観ていた人も、
「あれは、どうなってるの?」と訊いていました。

土俵上、いざ立ち合いの豊ノ島(左)−土佐ノ海です。今をときめく
日本人勢若手三羽ガラス『チームジャパン』の一人、豊ノ島に対して、
老兵、12年一回り昔の大関候補、土佐ノ海。新旧対照的な両者の
対戦は、当然豊ノ島の勝利だと予想していましたが、大方の予想に
反して、ベテラン土佐ノ海が勝ちました。かつての実力者の意地。



変わる土俵は嘉風−出島です。立っているのが嘉風ですね。嘉風は
昨年九州場所で大勝ちして敢闘賞を受賞して以来、雰囲気が変わっ
てきました。上位〜中位で取る、『準実力者』の様な顔になってきた
様な印象を受けますが、この場所は惜しくも、千秋楽に負け越してしま
いました。早く4枚目以内で勝ち越して欲しい力士ですね。

この日も元大関の出島が、最後は自らも両手を付いてしまいま
したが、勝ちました。本当に嘉風、惜しむらくは千秋楽の1勝です。



嘉風と同部屋の豪風が見上げる中、土俵上、顔を紅潮させて塩を
取るのは、『期待の星代表』稀勢の里です。今年初場所千秋楽、
7勝7敗だった小結・稀勢の里は、九死に一生を得る様な逆転の
寄りで勝ち越しました。その瞬間、新関脇が確定。私も内心歓喜の
声を上げたものでした。新小結から3場所連続勝ち越しながら翌
場所も据え置き。気が付けば小結ばかり在位9場所で、10場所
になれば、あの『優勝しながら関脇経験無し』の富士錦に並ぶところ
でした。しかし、そんな不運の連鎖を断ち切り、見事新関脇昇進を
果たした稀勢の里。まずは一つ、大きな物足りなさが解消しました。
あとはこのまま勝ち越しを続けて、大関に上がるだけだと思って
いたのですが、この場所ここまで4勝5敗と不本意な成績でした。

この日は目の前で大関・魁皇に完勝。まずはホッと一息でした。
前の場所も、初日から一日も白星先行が無いまま、13日目には
7敗に追い込まれてそこから勝ち越したのですから、この場所も、
この時点ではまだまだ、勝ち越しに望みある五分の星だなと、思っ
ていました。それがよもや終盤全敗してしまうとは・・・・・。そして
平幕に落ちた翌場所は、今度はいきなり13勝して一気に関脇
返り咲きが成るのか?。だけど、番付の乱高下は、もうこれで卒業
といきたいですね。この画像、画面右上には、向正面の解説の
境川親方(元小結・両国)の姿も見えます。境川親方は、この後に
登場する、御当所力士、豪栄道の師匠です。拡大版はこちら



土俵下、今まさに呼び出されんとする力士は、先ほども触れた
豪栄道です。『おけいはん』こと京阪沿線の寝屋川市出身。大阪
での人気は、昨年もそうでしたが、絶大なものがあります。

返り小結だった豪栄道。この日は大関・琴光喜に挑戦でした。
上位相手に、見せ場を作りたいところ。気合いが入ります。ここ
まで4勝5敗、関脇・稀勢の里同様、黒星が先行しているだけに、
何としても星を五分に戻したいところでした。直前にライバル、
稀勢の里も大関に勝っているだけに、なおさらだったはずです。



果たして琴光喜に攻め勝って完勝。勝負が決まった瞬間、ブレては
しまいましたが、両者の表情も何とか捕えていると思います。それに
つけても、琴光喜のほうも精彩を欠いているのが気になりますね。
今一度、13勝した一昨年の名古屋を思い出して欲しいです。

さあ、いよいよ全勝の横綱・朝青龍の登場です。相手は大関
2場所目の日馬富士。好取組です。先場所、新大関の時は辛酸を
なめた日馬富士でしたが、この場所は新しい締め込みも体に
馴染み、先場所よりは順調に白星を挙げました。それでもまだ
9日目で5勝4敗は不本意でしたが・・・・・。それにしても、安馬の
四股名で、上位で千秋楽に勝ち越して三賞をもらった姿を観た時
には、それだけでも十分すごいと思ったものでした。まさか本当に
大関にまで登りつめるとは・・・・・。正直言って、予想外でした。
ところで日馬富士は、第49代横綱、栃ノ海に似ていますね。



制限時間一杯です。最後の塩を取って、グッと花道奥を睨み付ける、
お約束のポーズの朝青龍です。土俵下では『静寂の横綱』白鵬が見つ
めます。連覇を目指していたこの場所。私は是非、千秋楽まで両横綱
が全勝でいって欲しいと思っており、それが実現すると思っていました。
それくらい、この朝青龍も充実していると思ったし、2年以上遠ざかって
いる連覇も、今一度見てみたかったです。対戦成績で大変分がいい
日馬富士には、絶対に勝つと信じていましたが・・・・。拡大版はこちら

立ち合いから日馬富士が奇襲を仕掛けてよもやの展開。そしてあれよ
あれよと、横綱が負けてしまいました。「えーっ?」という感じでしたけど
ね。館内座布団の嵐。その様子を収めましたが、座布団は動きが速過
ぎてよく分からないですね。この時点でまだかなりの数が舞っていまし
た。「あ〜あ、これで全勝同士の横綱対決の夢が没になった。」ガッカ
リした心地でしたが、ここに来て、一緒に来ていた職場の同僚の言葉
が耳に蘇りました。曰く、「朝青龍は、今日はエラいリラックスしていて、
去年は感じられたオーラが丸っきり感じられなかった。」私はそれを聞
いて、「余裕なのだろう。いざとなったら、バチッと集中するんだから。」
と思ったものでしたが、今にして思えば、同僚が見た時の印象が、この
結果の伏線になっていたのかも知れません。油断していたのでしょう
か・・・・・?とにかく、横綱の1敗は、大変に残念でした。こうなったら
是非1敗対決を・・・・と望みました。拡大版はこちら



さて、興奮冷め止まぬ中で、結びの触れが告げられました。土俵上、
結びで取る大関・千代大海が上がっています。6年前のこの大阪では
優勝を果たし、5年前の大阪でも初日から13連勝している千代大海。
しかし、今年の大阪は絶不調でした。何とここまで2勝7敗。この一番
に負ければ来場所カド番です。それでも土俵に上がる姿に、賛美を
送っても良かったのかも知れませんが、結局このまま全部負けて2勝
13敗に終わった事を考えると、果たして皆勤にこだわったのが、本人
の言うように良かったのか?という気持ちにもなってきます。応援した
いのは勿論なのですが、やはり地位が地位ですからね。

こうして見ても、いかにも痛々しそうだった大関・千代大海。大関在位
11年目というのは、或る意味では金字塔とも言えるかも知れません。
ただ、あまりにも追い込まれて、それでもなお取り続け、結局ギリギリ
千秋楽にカド番を脱出してホッとする、という、今年夏場所の様な土俵。
果たして、『大関らしい』と言えるのかどうか?関脇以下とは分けが違う
地位である事を考えると、疑問を禁じえない心境です。千代大海は、
ずっと贔屓力士の一人なのですが、同時に私は相撲の世界に限らず、
プロの道において『引き際の美』というものにも、少なからずこだわりを
持っています。その意味では、現在の千代大海や魁皇。一面立派だと
は思いますが、番付らしい哲学と言えるのか?難しいところです。



さて、後が無い千代大海の対戦相手は、当代実力No.1の白鵬。
この状態で横綱に勝てる分けがない、という思いで、最初から観て
いました。言葉は悪いですが、消化試合の印象は拭えなかったで
すね。本来なら格調高いはずの、横綱・大関戦ですが・・・・・。

果たして予想通り、白鵬が無難に勝ち。目の前で朝青龍が破れ、
この日の相手は大負け中。心に隙が出来ても不思議ではない状況
でしたが、こういう時に当然の様にしっかり締めるのは、さすが横綱
です。この時から白鵬が単独トップに立ちました。

 以上、今までにも増して公開が遅くなりましたが、大相撲春場所十日目の観戦記でした。今回は画像が少なく、本場所観戦記としては5年ぶりに1ページのみとなりました。その分、文章でそれなりにボリュームを増やしたつもりです。
 さて、春場所の話からは丸っきり逸れるのですが、一つ面白いハプニングをご紹介しましょう。それは去る2009年1月21日の事でした。
 私はいとこの結婚式に参列するため、東京のホテルオークラに居たのですが、本人と親族が集まる控え室にいたところ、前の廊下を何人もの力士が通り過ぎていき、私は時期的にみて、「もしかしたら、日馬富士の大関昇進披露パーティーかな?」と思いました。
 やがて私たちは一旦控え室を出て、ロビーで待機していたのですが、エレベーターから紋付袴に大銀杏姿の力士が登場。予想通り、日馬富士でした。しかも直後に、丁度日馬富士が歩くのと同じ通路を、同じ方向に歩くという格好になり、途中で日馬富士は私の母に『ドン!』とぶつかってしまったのです(笑)。
 母が「アッ!」と声を出すと、日馬富士は丁寧に労わるような姿勢で、「あ、大丈夫ですか?すみません。」と謝っていました。
 「母さん、日馬富士と接触したがな。」と私は半分羨ましくもある心境で言ったものでした。

 さて、月日は巡り、五月場所千秋楽。その日馬富士が、決定戦の末見事に初優勝を果たしました。実力ナンバーワンの白鵬を破っての堂々の優勝。それを見た母親は、「やっぱりあの時私にぶつかったお陰で優勝出来たんやで。あれで勝利の運がついたんや。」と、さも誇らしげな顔をして語り出し、私は一言、「いや、それは先ず関係ないと思う。」と返したのでした。


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