平成二十年大相撲名古屋場所千秋楽(前編)


※右側(西方)の画像をクリックすると、一つ下(次の段)の画像にジャンプします。


東 方

西 方


今名古屋場所千秋楽の観戦です。ご覧の様に、この日の
空模様は大変悪く、今にも雷雨が降りそうな様相でした。実際、
会場入りして暫くして、激しい雷雨が降り、観客席にいてもよく
音が聞こえていました。この至って暗たんとした雲行きは、丸で
その後相撲界に起こる出来事を、暗示しているかの様でした。

隣の画像の、反対方向です。この、いつ大雨が降ってもおかしく
なかった厚い雲を見ながら、私が一番心配していたのは、優勝
パレードが中止にならないかという事でした。実はこの年の春場所
も、不安定な空模様に見舞われ、せっかく良い場所を取るも、パレ
ード中止の憂き目を見てしまいました。それだけに、何としても名古屋
ではと思って望んだこの日、またも雨で中止になれば、2回連続という
不運に陥ることになります。そうなれば、「俺は雨男だ」と、いう思いに
なり、次の年の春場所にも、望みを持てなくなっていた事でしょう。



この取り組みは十両の武州山と北太樹で、ちょうど武州山が
寄り切って勝負が付いたところでした。両者ともに11勝3敗。
勝った方が十両優勝でした。十両で、優勝が千秋楽相星決戦
で決まるというのは、あまり無いかも知れません。でも、本当なら
これが理想ですよね。優勝は武州山となりましたが、北太樹は
次の場所、新入幕を果たし、武州山は東十両筆頭に留め置か
れるも、見事勝ち越してすぐ後に続くことになりました。

千秋楽の協会ご挨拶です。結果的に、北の湖理事長での最後の
協会ご挨拶となったのでした。この挨拶の土俵に、かつては露鵬
も役力士として、上がった事がありました。それにしてもみなさん、
拡大版画像をクリックして、魁皇の顔をよ〜く見て下さい。何やら、
少し、ニマッ!としている様に見えませんか?まるで今から相撲を
取らんとばかりの、気合いを込めた様な表情。何故こんな表情に
なっているのでしょう?ちょっと驚きました(笑)。



挨拶が終わり、西方向から正面に向き直るところです。魁皇、ここ
ではもう、普通の表情ですね(^^)。次に千秋楽の観戦をした時は、
武蔵川理事長の姿を収める事になります。拡大版はこちら

正面の放送席を写しました。10日目に観戦した時は、放送席の
すぐ下のツイン桝席に座っていた(もちろん単独で)ので、位置的に
撮影は難しい状況でした。それにしても、席のすぐ下でも、カメラが
ぎっしり構えているのですね。ちょっと狭くて怖そう(汗)。



お馴染み、北桜の一番ですが、この時はいつもにプラスアルファ
して館内が沸きました。それは、北桜がご覧のような両手を鷲の
ごとく広げる例のパフォーマンスをした後、対戦相手の皇司に目を
やると、まだタオルを手に清拭をしており、塩に移れるタイミング
ではありませんでした。予定外の間が空いた北桜、何と目の前の
観客に「もう1回いきます」と人差し指を立て、その後もう1回両手
広げをやったのです。これには私も驚き。巡業の様な一コマでした。

相撲はしっかり勝って、大ベテラン対決を制しました。これで
勝ち越し。翌場所は再入幕を目指す、といきたいところでした。



この場所は、三段目と幕下で、優勝決定戦が行われました。
これは三段目。制したザンバラ髪の力士は、誉富士です。

続いて幕下の優勝決定戦なのですが、これがまた凄かった!
何と、総勢8名による多人数決定戦が行われたのです。先ずは
前哨戦なのですが、それだけで4番ありました。土俵を挟んで、
8人の力士が所狭しと並んでいます。東に4人立っているのは、
各段優勝の表彰式と間違えそうな状況ですね。幕内経験者も
いたという多彩な顔ぶれ。しかし一段と目立っていたのは、この
翌場所、新十両を果たした巨漢、山本山でした。



前哨戦で、蒼国来と取り組む山本山。この体型差やいかに!
といったところですね。館内沸きました。拡大版はこちら

252kgの体重を活かして、まずは順当に勝利。二字口に戻る
山本山ですが、“サイドビュー”もまたスゴい・・・・。拡大版はこちら



こちらは一転、小兵で幕内経験もある里山です。スピーディーで
きっぷのいい相撲。星風を動きでさばきました。なお、この後里山
は、第二次前哨戦で大真鶴と対戦しましたが、元幕内同士です。
幕内を務めたのは、大真鶴が平成18年のこの名古屋、そして里山
が平成19年の夏と名古屋です。従って、両者幕内の土俵では、
対戦を経験していません。十両では対戦しています。

第一次前哨戦が終わり、これから勝者4人による、第二次前哨戦
のくじ引きが行われます。この光景も、千秋楽ならではのものです。
幕下の取り組みは、60人の力士において、常に同一成績同士
が当たるため、最終的には7戦全勝が一人しか残らない展開となり
ます。従って、優勝決定戦にまでもつれ込んだ場合は、同部屋の
場合を除き、成績は6勝1敗という事になります。



さあ、決定戦です。決定戦は、同部屋対決となりました。ともに尾上
部屋の、山本山と里山です。山山決戦≠ナしたが、ここで気を
吐いたのが、幕内経験もある里山です。先輩の意地を見せました。

両者とも倒れていますが、勝ったのは里山です。それも鮮やかな
下手投げで仕留めました。まさに『小よく大を制す』、巨漢の弟弟子
に対して経験の違いを見せ付けました。館内ヤンヤの喝采。3番も
力戦して幕下優勝した里山、おめでとう&お疲れさまでした!



各段優勝の表彰式です。つい今しがたまで取っていた里山は、
まだ息も弾んでいるように見えます。体にも熱りが残っていますね。

まずは十両優勝の武州山です。大関・千代大海や琴光喜らと同じ
昭和51年生まれ。いわゆる『ゴーイチ組』の一人です。初土俵が、
『ゴーイチ組』出世頭となった千代大海が幕内初優勝した、平成
11年初場所です。32歳にして十両初優勝。そして翌秋場所は、
先ほども述べた通り十両筆頭に留め置きとなりましたが、その次の
九州では、歴代2位の年長新入幕を果たすに至りそうです。



幕下優勝、里山の表彰式です。つい先ほどの熱闘の連続を
振り返り、大きな拍手を集めていました。なお土俵上、表彰状
を手渡しているのは、放駒審判部長です。

向正面の放送席を写しました。いつでもそうですが、いす席や、桝席
後列からの撮影では、向正面の放送席を捕えるのは本当に難しい
です。解説が舞の海秀平さんである事は、お判り頂けるでしょうか?



幕内土俵入りです。こちらは大関・琴光喜のいる西方。最後から
2番目で琴光喜が登場すると、館内拍手万雷・フラッシュ万雷に
なりました。それにしても、大きく両手を上げている把瑠都が、少し
笑っている顔に見えるのは、私だけでしょうか?

最後の2人が佐渡ヶ嶽の両大関、そして大関・千代大海を挟んで
その次がまた佐渡ヶ嶽部屋の琴奨菊。という事で、結び4人の内の
3人が佐渡ヶ嶽勢になっています。ところで、琴奨菊の一つ前をゆく
のは・・・・、そう、若ノ鵬です。よもやこんな形で、土俵入りの見納め
になろうとは、全くもって予想出来ないことでした。



千秋楽の、横綱土俵入りです。最早盤石の極み。充実の若き
『大横綱予備軍』に、注目点は全勝を果たすかどうかのみでした。

すっかり板に着いた、不知火型の土俵入りですが、隅っこ近い
いす席しか取れない千秋楽では、どうしてもこの様なアングルと
なってしまいます。およそ羽黒山以来と思われる、不知火型の
長寿横綱の道へ向けて、GOOOO!



一つ前の画像よりはきれいに撮れた土俵入り画像。よって
拡大版も用意したわけですが、少し斜めから見た場合は、
綱の後の輪っかもきれいに写せるというメリットはあります。

中入り後の取り組み、これは幕内−十両の、新旧入れ替え戦
のようになった一番です。向かって左が、東前頭14枚目で5勝9
敗の土佐ノ海、右が東十両筆頭で、8勝6敗と勝ち越している玉鷲
です。土佐ノ海は、前半は5勝2敗と好調ながら、中日からよもやの
7連敗。この一番に勝てば、何とか幕尻に留まる可能性もありまし
たが、敗れて8連敗で10敗。翌場所はまた十両に下がりました。



こちらも十両と幕内の一番、西十両筆頭の豊桜と、新入幕の
光龍です。どちらも負け越しが決まっており、特に光龍は大負け
して翌場所、十両から出直しとなりました。顔が見えているのが
豊桜ですが、学年では私と同い年で、依然キップのいい相撲を
取る豊桜も、幕内からは1年半以上遠ざかっています。

この日も『ミニ琴錦』バリのスピーディーな相撲を取った
豊桜。新入幕を土俵に這わせて、これで6勝9敗です。



顔が新入幕の木村山、背中が黒海の一番。これは立ち合い
呼吸が合わず、待ったになった瞬間。黒海のほうが突っかける
格好となりました。立てなかった方の豪風は、バツが悪かった
のか、思わずニンマリ顔。細い目を更に細めて、照れ笑いを
しています。それに対して黒海の方は、大きな目を更に大きく
開いて、睨みつけていたのでしょうか???拡大版はこちら

立ち合い成立の後、相撲のほうは黒海が叩き落として勝ち。
誰が見てもどちらが勝ちか分かる格好で、勝負がついた、
かに見えました。しかし・・・・・。



物言いです。物言いが付いて審判が土俵上です。写りがボヤ
けていますが、一番左の審判が、貴乃花審判長です。そして
その隣が、元大翔山の追手風審判、その隣が元若嶋津の
松ヶ根審判です。この松ヶ根審判は、貴乃花審判が入門する
4場所前に引退し、断髪式では、当時入門する直前だった、
まだ15歳でスポーツ刈りの貴乃花に胸を出すという、ファン
サービスを披露していました。その貴乃花も、功成り名遂げる
活躍の跡を残して土俵を去り、今や審判長に。松ヶ根親方の
方が、審判員で、土俵下で上下関係が逆転しました。相撲界
ならではとも言える、この数奇な“逆転現象”を、果たして元
若嶋津はどう感じているのでしょうか・・・・・?

さて、土俵上、協議が付いたようで、貴乃花審判長が説明を
行います。私が生観戦した日で、貴乃花審判の場内説明を聞い
たのは、これが初めてです。という事はつまり、初めて貴乃花の
肉声を、生で聞いた事になりました。で、その結果なのですが、
何と黒海が木村山を叩いた際、髷を掴んだという事で、黒海の
反則負けとなりました。なるほど、そういう事だったのですか。
それはさすがに、客席、それもいす席から肉眼で発見する事は
出来ませんよね。それにしても木村山は、西12枚目で目下6連敗
中でした。従って、相手の反則で千秋楽に連敗を止めたのは、
まさにたなぼた白星と言えます。一方の黒海は、西10枚目で
5勝10敗に。こちらは星勘定がキビシー!拡大版はこちら



こちらは『平成の極端な合い口ナンバーワン』垣添−岩木山戦
です。対戦成績、何と岩木山の13戦全勝。およそ平幕同士とし
ては、あの、太寿山−多賀竜戦(太寿山の18勝1敗)以来では
ないかと思われる、一方的成績です。そしてこの日も岩木山の
勝ち。垣添は7勝7敗で、千秋楽に勝ち越しをかけていたのですが、
よりによって岩木山戦とは、相手が悪過ぎました。垣添、相手に
体を延ばすように倒れているその体勢が、執念を物語っている
ようです。だが・・・・、まだ諦める必要は全く無いでしょう。何しろ、
多賀竜は太寿山に、18回目の対戦で初めて勝ったのですから。

さあ、高見盛の登場。そして名物♂i谷園の懸賞垂れ幕
5枚の、揃い踏みならぬ揃い回りです。もうすっかり、この
組み合わせは定番となりましたね。



この一番は、ちょうど勝負が付いた瞬間ですが、敗れたのは
敢闘賞を受賞した豊響。そして勝ったのは・・・・・、露鵬です。
露鵬は後半6連勝して勝ち越し。9勝6敗として、翌場所には、
再度の三役挑戦が約束されていた筈でした。結局この1枚が、
露鵬の姿の見納めになってしまった分けですが、今回の大麻
事件は、つくづく残念でなりません。本人もこれから先、弟の
白露山ともども、ぜひ人生を立て直して欲しいと思います。

そしてこちらもです。顔は栃乃洋ですが、背中を向けているのは
若ノ鵬です。結果的に3人の力士の最後の一番を、生で見届ける
ことになったというのは、何とも複雑な気持ちです。こういう不祥事
で、自分が応援している世界が騒がれてしまうのは、やはり寂しい
ですね。まだ20歳、きっと人生をやり直せる事を、信じたいです。


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