平成十九年大相撲名古屋場所千秋楽(前編)


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東 方

西 方


平成19年名古屋場所千秋楽。はじめは十両土俵入りから。向かって
一番左端が、自己最高位で勝ち越しを決め、新入幕への期待が大きく
膨らんでいた、私にとって実質ご当所力士、若麒麟です。そして花道
の方向へ目を転ずると、しんがりを務める岩木山の姿も見えます。

こちらは西方十両土俵入り。右から、千代白鵬、保志光、片山、
琉鵬と続きます。それにしても、新十両で勝ち越しを決めている
若手、保志光と、ベテランで負け越しが決まっている片山との
並びは、何とも新旧対照的ですね。



幕下上位五番の取り組みですが、3番目に登場したのは、ご当所
愛知県出身の武雄山です。かつては幕内上位まで駆け上がった
武雄山。ケガさえなければ、実力は十分だと思われますが、不本意な
幕下での土俵です。それでも声援は大きなものがありました。

そんきょする武雄山です。胸毛が濃く、野武士を思わせるイカつい風貌。
この強面が幕内に戻ってきたら、きっとまた上位を脅かす存在になって
くれるでしょう。一日も早い復帰を期待します。拡大版はこちら



お馴染み、片山のきれいな四股ですが、この日はまともに写せた
のはこの一枚のみでした。完全にボヤけている対戦相手は、幕下の
木村山です。そう、もう幕下が見える位置まで落ちてしまっていた
のですねぇ。元幕内の片山。当に番付、西十両十二枚目。この日
完勝して関取の意地を見せ、翌場所十両に踏みとどまりました。
ところで、片山の後ろで、土俵下、控えに入ってきている力士の姿が
見えます。隆乃若です。そう、この翌秋場所を最後に土俵を去った
隆乃若。元大関候補の実力者の引退は、本当に寂しいものです。

さて、隆乃若の一番です。この場所、隆乃若はついに幕下に落ち、
番付は西幕下三枚目でした。元関脇の幕下陥落は史上決して多くは
なく、見ていても本当に歯痒い思いでした。顔も二枚目。なかなか
『華』のある人気力士でした。小結で11勝を挙げ、大関陣を次々と食う
姿をよく知るファンとしては、ぜひまた幕内上位に復活して、
土俵を盛り上げて欲しいところでした。拡大版はこちら



この場所は、隆乃若はここまで4勝2敗と、勝ち越していました。
11日目以来、実に4日ぶりの土俵となったわけですが、十両の
十文字に破れ、有終の美は飾れませんでした。隆乃若の
無念そうな顔が、ピンボケ画像でもよく写っています。

下がる者あれば、日の出の勢いで上がる者もあり、です。こちらは
先ほど土俵入りの時も集中的に撮影した、若麒麟です。十両から
幕下に落ちて苦節1年半。この場所、念願の再十両を果たした後は、
目覚しい成績の伸びで、あれよあれよと二桁に王手をかけるまでに
勝ち進みました。仕切りの姿にも、自信と落ち着きが感じられます。



仕切りを続ける若麒麟です。新十両の時以来、約3年ぶりの十両勝ち
越しで、気持ちも充実。気合いとゆとりが同居した心境になっていた
のではないでしょうか?体も一回り大きく見えました。拡大版はこちら

さあ対戦です。相手は白馬。ぐいぐいノド輪で持っていって
押し込んで、終始攻勢。快勝して星を二桁に乗せました。



1年半ぶりの再十両で大勝ちを果たし、万感の思いで勝ち名乗り。
この後、翌秋場所も自己最高位の西十両2枚目で9番勝ち、初の、十両
での連続勝ち越しを果たすとともに、入幕の夢実現を濃厚にしました。

この一番は、豪栄道が北大樹を豪快に倒した一番です。
これで豪栄道は、優勝決定戦に進出することになりました。この後、
巴戦で再びその姿を見せることになります。



協会ご挨拶です。関脇の琴光喜に圧倒的な声援が飛んだのは、
言うまでもありません。後列手前には、安治川コンビが
立っています。同部屋三役が2組ですね。拡大版はこちら

なかなか千秋楽に正面の席を取ることが出来ない私は、いつも
この様に、最後の挨拶で東西の方向を向いた瞬間をカメラで捕える
格好となります。今までは全体にブレていたのですが、この場所は
ほぼきれいに写す事が出来、嬉しかったです。拡大版はこちら



再び正面に向き直った時です。この協会ご挨拶に、いつも
当たり前のように理事長の横に立っていた朝青龍が、再び
この位置に立つ日が来ることを期待したいものです。

さあ、土俵は十両最後の一番です。東に岩木山(向こう)、西に
旭天鵬(手前)です。岩木山は12勝2敗、旭天鵬は11勝3敗で、
岩木山が勝てば十両優勝が決定します。ともに元三役の実力者。
特に旭天鵬は、前場所出場停止となったための十両への陥落で、
ケガで落ちたのでさえない訳ですから、この成績は当然と言え
ます。ただ、目下2連敗中という状況で千秋楽を迎え、まずは
何としても、連敗を止めてきれいに最後を締めたいところでした。



立ち合いです。この岩木山の形相をご覧あれ。本当に優勝をかけて
必死でいっているという表情。顔自体もデカいし岩木山、なかなかの
迫力ですねぇ。これぞ力相撲、と言いたいです。拡大版はこちら

そして結末もなかなかの際どいものに。旭天鵬が寄り勝ちましたが、
岩木山も粘り、両者バッターンと倒れる、これまた見応えのある
決まり方になりました。その中でも、行司の軍配はサッと旭天鵬
に上がっています。岩木山3敗目。旭天鵬は3連敗を免れて12勝目。
これで十両は、先に12勝目を挙げた豪栄道との3人による、
巴戦にもつれ込むことになりました。館内大喜びです。



この場所は三段目でも同点者がいたため、決定戦が行われました。
顔が希帆ノ海、背中が南です。希帆ノ海は、先の新潟県中越地震の
被災地の出身で、被災者の応援を受けての決定戦でした。
一方の南は、まだザンバラ髪の巨漢力士です。

被災地である郷土の期待を一身に集めて戦いましたが、惜しくも
敗れてしまいました。土俵上で「あーっ!」と悔しがります。一方、
何事も無かったかのように悠然と土俵中央に立つ南。
対照的な、勝者と敗者の表情でした。



さて、いよいよ十両の優勝決定巴戦です。巴戦の場合は、最初に
土俵に上がる2人をクジで決めるので、3人がそれぞれクジを引いて
中を開けています。大きな手で、小さなクジをこじ開けます(笑)。

最初の一戦は、岩木山ー豪栄道となりました。この両者は本割では
対戦が組まれておらず、岩木山は前場所まで幕内、そして豪栄道は
幕内未経験という事で、全くの初顔合わせとなりました。決定戦が
初顔合わせというのも、あまり聞いた覚えがありませんが、ともかく、
相撲は元小結の岩木山が格の違いを見せ付けて、豪栄道を土俵に
転がしました。かくて岩木山が再び、優勝に王手です。



一戦目では待機となっていた旭天鵬と、岩木山による対戦。
この一番で岩木山が勝てば優勝ということで、先ほどの本割と
全く同じ状況となりました。岩木山、今度こそ必勝を誓います。
難敵・旭天鵬との『対戦再現』を前に、顔面が紅潮してきて
います。そして控えでは、『大物』豪栄道が行方を見守ります。

結局、先ほどのリベンジを果たした岩木山が、見事優勝を果たしま
した。この場所、十両に落ちたのが本当に悔しかったという岩木山は、
その悔しさを一心に土俵にぶつけ、再入幕の手土産を得たのでした。



各段力士の表彰式の場面。東の土俵下に、優勝力士がそんきょして
並ぶこの光景も、お馴染みのものになってきました。向かって左から、
十両優勝 岩木山、幕下優勝 磯部、そして鏡山審判を挟んで、
三段目優勝 南、序二段優勝 土佐豊、序ノ口優勝 暁司です。

こちらも先ほどの決定戦を制した、三段目優勝の南が表彰状を
受けます。それにしてもちょっと画面左端を見て下さい。既に表彰を
終えた岩木山(半分途切れているが)と磯辺が、何か談笑して
いますね。こういうのは、別に良いのでしょうかね?完全にそっぽ
を向いている鏡山親方、どうなんでしょう(笑)?



序二段優勝、土佐豊が表彰されます。読み上げるのは元千代の富士
の九重審判ですが、この九重審判と、土俵下にいる、元多賀竜の
鏡山審判は、ともに平成3年夏場所に引退しました。そしてこの2人の
引退によって、蔵前国技館時代の優勝経験者が現役から姿を消した
のです。ちょっと余談になりましたが、この土佐豊は、四股名が示す
限り、高知県の出身ですね。そして何となく、先ほどの、三段目の南
に似ている様な気がしますね・・・・。

表彰式も終わり、いよいよ舞台は幕の内土俵入りへと移ります。
はじめに東方です。中央の豊真将と、その右隣の鶴竜は、これから
が期待される若手。そして左の2人、雅山と玉乃島は、長年の
ライバルで手の合う(仲のいい)同士です。拡大版はこちら



土俵を下りる東方幕内力士ですが、とにかく観客のお目当ては
後ろから2人目の琴光喜。割れんばかりの声援と、弾けんばかりの
フラッシュのあられでした。

こちらは西方幕の内の土俵入り。最後の両手を上げる場面ですが、
この動作、基本は両肘を曲げた状態で、手をピャッと上げるという
ものだと思うのですが、力士によっては思いっきりバンザイのように
手を伸ばす人もいますね。以前、白鵬がそうでした。時天空や龍皇と
いった、他のモンゴル勢も同様のスタイルですが、そのへんの特徴も
観察してみると面白いです。パフォーマンスを意識して、わざと動きを
つけるのが北桜。これはいかにもという感じですが、この画像で見る
限り、意外なところでは若の里も手を伸ばす傾向があるようです。



横綱・朝青龍土俵入りであります。この時は、この1枚ぐらいしか、
まともに撮れませんでした。それにしても結果的にこれが、この年
最後の、朝青龍土俵入りの雄姿になるとは・・・・・。

横綱・白鵬土俵入り。長い長い新横綱の場所も、いよいよ千秋楽です。
もう本人の中では、土俵入りも板に着いたでしょうか?



9日目の時と違い、斜め角からのアングルとなりますので、
なかなかいい『画』は撮れないですね。それにしても新横綱、
本当にお疲れさまでした。初日から9連勝して通算25連勝。
横綱としての責任は、十分に果たしたと思います。

不知火型のせり上がり。右手が半分隠れてしまっているのは、
撮影位置的に仕方のない事ですね。次はまた、正面から
きれいに収めてみたいです。



さて、中入り前の休憩時間、通路へ出て何気なく外をのぞいてみると、
トランペットや太鼓などの練習をする、演奏隊の姿が目に飛び込んで
きました。一体何を・・・・・?そう、この人たちは、千秋楽の優勝
パレードや、その前、表彰式での君が代斉唱の際に、演奏をする
隊員なのです。猛暑の中、外でリハーサルを繰り返しているのですね。
これも、千秋楽ならではの風物詩と言えます。

私の観客から前方の客席を撮りましたが、多くのお客さんが、似顔絵
入りの、『琴光喜』と書かれた羽織を着たり、『琴光喜岡崎後援会』と
書かれたシャツを着ています。大関昇進を決め、優勝もかかっていた
千秋楽、大勢の応援団が、こうして席を埋めていたのでした。画面右の
真ん中あたりには、何か黄色い大きな物が掛かっているのが見えます
が、これは『琴光喜がんばれ』の横断幕です。テレビの中継でも紹介
されており、恐らくその時に横断幕を写していたであろうカメラが、幕の
横に見えます。私も前の通路を通った際、横断幕を正面から見ました。
折角だから、その時に私も撮影すれば良かったですね。何故か眺めた
だけで終わってしまった事を、今、後悔しています。この横断幕のすぐ
後ろには、琴光喜のお兄さんやお父さんといった、家族の人が座って
いました。この一角だけ盛り上がり方が別格になっていましたよ。



横断幕は撮影し損ねた私でありますが、私の席の後方の通路に
掲げられていた、『琴光喜関』と書かれた応援旗は収めました。
千秋楽、ご当所の力士の優勝がかかっている時ならではの、普段は
なかなかお目にかかれない光景、そして味わえない雰囲気でした。

さあ、中入り後の取り組みが始まりました。まずは、もうすっかり
お馴染みとなりました、北桜の塩撒きです。



ガップリ四つに組む北桜。力のこもった、いい表情です。相手は、
これも大ベテランの、土佐ノ海でした。ところで、土俵下の控えで
出番を待つ力士にご注目下さい。そう、時津海です。こう書けばもう
ピンと来ますよね。さきの時津風部屋の事件において、解雇となった
前時津風親方から引き継いで、新時津風親方になったのが、この
時津海です。本当に突然の展開で、本人もまさしく、「何が何だか
分からない」ままでの、引退劇となりました。実のところ、時津海は
私の中では特に注目していた力士ではなかったため、土俵上の姿を
画像に収めるという事がなかったのです。まさかこんな事態が起ころう
とは、この時は想像だにしていなかった分けだし・・・・。それだけに、
たまたま控えに座っている状態で写っていた、この時津海のショットが、
思いもがけない形で貴重な記録となりました。昭和48年11月生まれの
時津海は、私と同い年です。そういう意味では、何か胸が詰まりそうな
思いというか、同じ年で、こんな境遇に置かれている人がいるのだ、と
いう心境です。時津海は、大決断だったと思います。今でも現役に
未練はあるでしょうね。そもそも、こんな痛ましい事件が起こりさえ
しなければ、時津海が結果的に、『収集役』になる事もなかったので
しょうけどね。本当に、時津海には、ある種同情も禁じ得ないという、
私の心境です。そして、難役を引き受け、しかも翌日、すぐに遺族に
謝罪に行った時津海は、本当に大人です。私には真似出来ません。

土佐ノ海ー北桜の一番は、土佐ノ海が押し出して勝ち。土佐ノ海は
5勝7敗から3連勝で勝ち越し。よくぞ踏ん張りました。


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