平成18年大相撲春場所 千秋楽[前編]


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東 方

西 方


平成18年大相撲春場所。今年も地元場所を観戦に行きましたが、
初の千秋楽観戦。わくわくしながら、先ずは初日と千秋楽にしか
見られない協会御挨拶を、じっくり堪能しました。北の湖理事長の
あいさつ。そして厳粛な表情で土俵上に立つ役力士陣・・・・・。独特の
風格と重みを感じました。これも一つの、大相撲観戦の醍醐味ですね。
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こちらはあいさつ終了後、一同が土俵周囲の各方向を向いて一礼を
している時です。私の席からは、左の画像の向きでしか見ることが
出来なかったのですが、東方向を向いたこの瞬間は、一同の姿を
正面から捕らえることが出来ました。協会ご挨拶では、最後にまず正面
に向かって一礼。その後、東方→向正面→西方と向き(=時計方向)、
最後にもう一度正面に向かって一礼をします。やはり正面というのは、
最大の敬意を払うべき方向となるのでしょうね。



さて、協会御挨拶の後の最初の取り組みは、注目している大雷童
です。この力士は顔も印象強いし、四股名がいいですよね。
『雷』と『童』は、何とも対照的な様な気がするのですが、大雷童の
場合は、相撲は激しい気迫相撲で『雷』のイメージ、一方、顔は
ぽっちゃりした童顔で、ゆえに『童』でしょうか。一つの四股名に、
うまく特徴が凝縮されているのは面白いです。ちなみに『雷』の付く
四股名の力士といえば、かつて鬼雷砲という力士がいました。この
力士の場合は、前名が浜千鳥で、優しそうなイメージの四股名
から一転、見るからに恐そうな四股名となり、そのあまりの
好対照が、話題となっていました。

グッと真一文字に口を結んで、気合を入れる大雷童。この位置の席は、
基本的に東方の力士が背中しか見えない反面、塩を取りにきて向き直
る瞬間、テレビカメラでは後姿になって写らない表情を垣間見ることが
出来るのが、面白いと思います。この日の対戦相手は、私と同い年の
光法です。同い年の力士としては、ほかに光法と生年月日が全く同じ、
五城楼という苦労人力士がいましたが、引退してしまいました。
さてこの一番、結局大雷童は敗れ、6勝9敗の負け越しに終わり
ました。拡大版画像はこちらから



さて、代わる土俵は大真鶴(向こう)と、御当所力士、声援が大きかった
泉州山との対戦です。大真鶴は、春場所西十両2枚目で8勝7敗、
場所後に公開した夏場所予想番付では、新入幕として昇進させました。
大勝ちこそしないものの、十両上位で勝ち越しを続けた大真鶴は、
地力を付けてきたと思います。拡大版画像はこちらから

制限時間一杯、斜め上に向けて、『ウオー』と大きく両手を広げ、
深呼吸をする泉州山です。なかなかいいショットを撮れたと思いまし
たが、勝負は敗れ、7勝8敗と惜しくも負け越しました。一方勝った
大真鶴はこの一番で勝ち越しとなり、明暗を分けました。両者
勝ち越しのかかった一番でした。拡大版画像はこちらから



千秋楽十両最後の一番ですが、西方から登場した力士は、まさかこの
力士を十両で見るとは思わなかった、土佐ノ海です。元三役常連、
大関候補の実力者。先場所は本当に惜しい成績で、10日目に5勝5敗
としながら、その後、幕内残留当確となるあと1勝を挙げられず、5連敗
しました。本人も悔しさを噛み殺して、約11年ぶりの十両の土俵を
務めていたと思うのですが、見事一場所での再入幕を決めました。
ただこの日の相手は、まだ十両2場所目の里山だったのですが、
敗れてしまいました。まだ幕内で取れると思いたいですが・・・・。

土佐ノ海といえば、小結で何度勝ち越しても、番付運の無さで関脇に
上がれなかった力士としても有名。それゆえに史上一位の、5場所連続
小結在位という記録が誕生してしまったのですが、その後はしかし、
不運を挽回して平幕から一気に関脇に上がるなど、再三関脇に復帰
しました。そして三役を通算20場所(関脇7、小結13)務め、実力者の
名を欲しいままにしましたが、今場所は十両で前半は勝ち込むも、後半
崩れて結局9勝6敗と一桁に終わりました。やはり衰えたのでしょうか?



千秋楽では、幕内土俵入りの前に、十両以下各段の優勝力士表彰が
行われます。ここで決定戦がある場合はそれも行われるのですが、
この春場所では、ありませんでした。しかしその代わりに、43年ぶり
というスゴイ記録が誕生しました。十両の全勝優勝です。現在辛口
解説で鳴らす北の富士以来という快挙。成し遂げたのは、エストニア
出身の把瑠都です。画像は表彰状を受ける把瑠都ですが、正に
末恐ろしい存在。それにしても、相撲史に残る十両優勝表彰式に
居合わせることが出来ました。十両優勝でも、「成績は○勝○敗で
あります。」とアナウンスされればいいのですけどね。そしたら
この時は盛り上がったでしょう。

表彰状を受け取り、土俵を降りる把瑠都です。この表彰でも背中しか
写せないために、こちらを向いた瞬間を何とか撮りました。
ところで左の画像ともども、分かりにくいと思いますが、各段優勝表彰
では、一人が土俵上にいる間、ほかの力士は蹲踞して待機している
のです。その場面がもっと分かるような画像を撮ればよかったですね。
次に千秋楽観戦をした時は撮ってきます。拡大版画像はこちらから



東方幕内土俵入りです。これはもう最後のほうで、順次退場している
ところですね。左から2番目、ちょうど化粧廻しを左手で持ち上げている
力士が、この場所大いに沸かせた安馬です。そして右から2人目が、
朝青龍とともに優勝王手の成績だった白鵬。『関脇・白鵬』のアナウンス
を聞くのは、この日が最後となりました。しんがりは大関・千代大海。
北天祐の大関在位記録に並ぶことが決定していました。

続いて、西方幕の内土俵入りです。先頭を歩いているのは嘉風。
そしてその後ろ、ちょうど顔が正面に写っているのが、最近にわかに
人気力士となった、北桜です。大ベテランにして生き生きとした表情。
そしてスカッとするような相撲で全く年齢を感じさせません。この
力士の表情は、今後もぜひ追い続けたいと思います。



話題の力士勢が、正面を向いています。一番真正面にいるのは、
豪風ですね。そして人気の高見盛は、土俵入りの段階で既に
ロボコップ&\情です。この画像は、ちょうど大関・魁皇が土俵に
上がった瞬間で、それこそ九州場所かと思うほどの、割れんばかりの
拍手が館内に響き渡っていました。私もこの時ばかりは思いました。
「もしかしたら、この姿を見るのは今日が最後かも」と。

しんがりの大関・栃東が上がり、全員が土俵内側を向いた瞬間。
中央の3大関、魁皇は覚悟を決めたような表情。琴欧州はどこか
痛々しげな表情に見えます。多分膝の痛みをこらえていたのでしょう。
そして千代大海も含めた4大関の中で、ただ一人元気な栃東は、
横綱戦に向けて今から闘志を燃やしている表情をしています。豪華
3大関の並びでも、これほどそれぞれの心境が如実に表情に出て
いるのは珍しいのではないでしょうか?拡大版画像はこちらから



横綱・朝青龍土俵入りです。横からの撮影の中、この一枚だけが、
何とかほぼまともに顔が写っていますが、撮影後、すぐにデジカメの
ズームを効かせて画像を見た時、「うーん・・・・」と唸ってしまいました。
何故なら、どうも横綱の表情が、本来のような闘志に欠ける、やや
大人しそうなものに見えたからです。あの、鬼神のような阿修羅の形相
を見慣れている私にとっては、なんか「あれ?」という表情に思えた
のです。「あまり燃えていないのだろうか・・・・・?」内心、ちょっと
不安に思わずにはいられませんでした。拡大版はこちらから

こちらも横綱土俵入りで、せり上がりの様子です。この時の横顔も、
何となくですが、淡白な表情に見えてしまいました。本人も内心首を
かしげているのでは?と思うような・・・・・。全体的に、表情の線が細い
ように感じられました。思えばあの白鵬戦の負け方は、『らしくない』
ものだったし、魁皇戦で勝った時も変にコケていて、やはりどこか
本調子でないものがあったのではないでしょうか?それでも横綱と
しての成績は挙げるのですから、さすが朝青龍です。



中入り後の取組です。今回もまた、高見盛から参りましょう。相手は
武雄山です。淡々と仕切りを重ねる時・・・・・。貴乃花審判が下を向いて
いるのは、時計係なので時間一杯の確認をしているのでしょうか。

さあ、時間一杯です。周りの観客にカメラのピントが合ってしまった
みたいで、肝心の両力士はピンボケになっていますが、最後の
塩をまいた後、高見盛が『気合ピークモード』の表情になって、パンッと
手をたたいた様子は、よく写っているのでは?と思います。



高見盛、勝ちました。「うおっしゃ!」という雄叫びが聞こえてきそうな
後ろ姿です。顔が気合でパンパンに張っているのが、背中からでも
分かる様な気がします。前日まで5連敗中だっただけに、なおさらで
しょうね。一方、敗れた武雄山も、「あーっ!」という悔しい気持ちが、
後ろ姿からよく伝わってくるような、そんな感じに見えます。

東方力士は、苦労人栃乃花です。土俵上、闘志をギュッと秘めた
表情になっています。対戦相手は嘉風。そしてその嘉風に力水を
付けようとしているのが、気合男、北桜です。出番待ちだった北桜は、
既にこの時に気合がこもっている様に見えます。
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若い嘉風と、ベテランの栃乃花の仕切りが続きます。
栃乃花、先場所、4勝11敗ながら、13勝した関脇・白鵬に勝ったのは
あっぱれでした。この場所は下位に下がったので、少なくとも9番はと
期待をしたのですが、中盤の4連敗が響いて負け越してしまいました。
また夏場所の巻き返しを期待します。

栃乃花、この日も押し出されて敗れ、結局6勝9敗に終わりました。
しかし来場所も幕の内。一度の大勝ちの後、連続負け越しで十両に
逆戻りはして欲しくありません。逆に嘉風は終盤3連勝で9勝と、
この場所、辛くも幕の内に留まったツキ≠活かしました。



さあ、館内が再び大いに盛り上がっているのは、北桜が土俵上で、
しかも最後の塩だからです。水戸泉張りの塩まきから、膝を曲げて
撒いた塩を見つめ、ポンと廻しを叩くポーズに変わったのは初場所
あたりからでしょうか。ピンボケになりましたが、表情は十分ご覧
いただけると思います。なお、相手は終盤になってようやく
連勝してきた、十文字です。

これは勝負が終わったところで、北桜、この一番に勝ち越しが懸かって
いたのですが、残念ながら負け越してしまいました。初日から3連勝し、
初場所に続いて二桁に王手をかけるかと思われながら、終盤3連敗で
8敗。因みに先場所も9勝3敗から3連敗して、敢闘賞を逃しました。
もし初場所敢闘賞を受賞していれば、初土俵から丸19年での初三賞は
史上一位のスロー初受賞という記録になっていただけに、実に惜しい
敗戦だったと今でも思います。あの初場所千秋楽、見るからにカタくなっ
ていましたよね。この日も勝越しを意識してか、変に止まってしまうよう
な、いわゆる大事に取り過ぎる内容だったと思います。夏場所、この
力士も大いに応援したいと思います。ファンサービスの姿勢はピカ一
ですし。それにしても、大ベテランで、三賞を逃すと言えば、思い出す
のは平成14年春場所の大善ですね。あの時は終盤ずうっと連勝して
きて、千秋楽に敗れてしまったのでした。拡大版画像はこちらから



この力士も、今となっては頑張る大ベテランとして密かに注目株に
なっています。皇司です。35歳、学生相撲出身なので土俵年齢は
さほどでもないのですが、地味ながらしぶとく幕に戻ってきていました。
この場所、序盤は3勝2敗と白星先行、久しぶりの勝ち越しも
夢ではないと思いましたが、その後は1勝しか出来ないまま、
10敗で千秋楽を迎えました。来場所はまた十両です。

皇司の取り組み中のショットです。相手は若手、朝赤龍で、左からの
のど輪を必死に堪えています。結局勝ったのは朝赤龍で、皇司は
4勝11敗。一方の朝赤龍は、4連勝で10勝5敗と二桁の星。2年前の
春場所とまではいきませんが、好調でした。拡大版画像はこちらから



さてさて、こちらも定番=B私の、『顔が好きな力士ナンバーワン』
垣添です。この日もまた、ご覧のとおりの、気合ムキ出しの表情を
収めることが出来ました。何かこう、ヤンチャ盛りを連想させるような
この表情は、いつ見ても好感が持てます。拡大版画像はこちらから

この日は白露山との一番でした。立ち合い、いつものようにきれいに
両手を付いての仕切り。勝負も勝って9勝6敗。好成績を収めました。



ベテラン玉春日、土俵上です。この人も本当によく頑張り続けて
います。いぶし銀の味が出ていると思いますね。この一番、決して三賞は
かかっていませんでしたが、勝てば平成14年秋場所以来、3年半ぶりの
二桁勝ち星でした。かつては若貴曙から、3場所連続金星を獲得した
事もある玉春日、4場所ぶり再入幕、34歳という年齢を考えれば、
見事な成績と言えます。結局敗れて9番に終わりましたが、相手の
旭天鵬もすこぶる好調で、勝って11番となったのですから、玉春日の
敗戦は、まあしょうがないでしょう。それにしても、下位で11番だった
同胞の旭鷲山が三賞に選ばれたのに対して、5枚目で11番勝った
旭天鵬は、何故か票を獲得出来ず、受賞なりませんでした。もし受賞
していたら、この場所は優勝はもちろん、三賞も新旧モンゴル勢四人衆
で、朝青龍を含めて『モンゴル五重塔』となっていたかも知れません。

この一番、何と1勝13敗同士という、究極の“絶不調対決”。
ある意味マニア受けする一番である一方、まともに考えればこれほど
盛り上がらない一番もありません。東、時津海。西、北勝力。
両者前場所は、そろって12勝3敗での大勝ちで三賞受賞。絶好調
だったのです。それが一転、この場所はどうしたのでしょう?特に
時津海。なぜ『特に』なのかというと、北勝力のほうは、この力士は
どうも、ちょっと気持ちが乗らなかったら、お構いなしに無気力の様な
相撲を取り、挙げ句安易な立ち合い変化に走るからです。実はこの
日もそうでした。だから北勝力が大負けしていても、単に気分が
乗らないだけ、というようにも映ってしまい、今一私の中でウケが
好くない力士なのですが、時津海はその点もっと堅実なイメージが
あり、気分屋ではないだけに、この場所2勝13敗というのは、
どこか悪かったのか?と思いました。



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